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【熊本県】

災害時、ロボ聴覚で検出 居場所探し迅速救助へ 熊本大など

熊本日日新聞 2019年12月12日(木)
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熊本大などが開発した、人の声を基に要救助者を捜索するドローン。右下の球の表面に16個のマイクを配置しており、声がした方向を探知する(公文准教授提供)

 助けを求める声を頼りに、がれきに埋もれた人の位置を特定−。熊本大が参加する研究チームが、ドローンに搭載したマイクで救助が必要な人の声を検出、正確な居場所を探し当てる技術を開発した。自然災害が相次ぐ中、迅速な人命救助につながる新たな手法として期待を集めている。

 チームの一員で同大大学院先端科学研究部の公文誠准教授(47)=ロボット制御分野=によると、カメラなど映像を基に要救助者を探す技術は既にあるが、音声を検出して捜索する仕組みは世界初。夜間や、見えない場所に閉じ込められた人の捜索に活用できるという。

 ドローン飛行音を含むさまざまな雑音から500〜3千ヘルツ付近の人の声を選択的に検出。声の場所を3次元的に特定する。「ロボット聴覚」と呼ばれる既存技術の応用で、熊本大は機体への効率的なマイクの配置や、必要な音声の分離、音の方向を探る技術開発で中心的な役割を担った。

 東京工業大や早稲田大などとの共同研究で、災害復旧や人道貢献にロボットを活用する内閣府のプロジェクトの一環。2012年から開発を始め、16年の実証機完成後も改良を続けている。重機が音を立てて動く救出現場でも人の声を認識でき、高度15メートルでドローンの半径10メートルを捜索可能。中継機を使うと2キロ離れた場所から使用できるという。

 今後、映像捜索システムとの統合や、複数の音源への対応など実用性をさらに高める。公文准教授は「災害発生から72時間とされる不明者の生存期間に威力を発揮する技術だ。実用化を急ぎ、社会に貢献したい」と話している。(松本敦)