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【山梨県】

オンライン診療を実証実験 山梨市が来年度 専用車を患者宅へ

山梨日日新聞 2019年12月17日(火)
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 山梨県山梨市は来年度、医療機器大手のフィリップス・ジャパン(東京)と協力し、市立牧丘病院を拠点に、勤務医がテレビ電話で問診する「オンライン診療」の実証実験を始める方向で検討している。看護師が医療機器を載せた専用車で患者の自宅に出向き、病院にいる医師がインターネットを通じて画面越しに診察する仕組みを想定。実験は来年度以降に実施したい考えで、新技術を使って在宅医療の充実と医師の負担軽減を両立させ、医療過疎問題の解決につなげる。

 市健康増進課によると、県内でオンライン診療を実践している病院はなく、全国でも少ない。オンライン診療はスマートフォンやタブレット端末などを使って患者が医師の問診を受けるのが一般的だが、スマホなどを持たない高齢者もいることから、市は看護師と専用車を使った診療方法を検討している。同様の実証実験は、長野県伊那市で行われている。
 市は来年1月23日、フィリップス・ジャパン、牧丘病院の指定管理者である山梨厚生会(山梨市)と連携協定を結ぶ。具体的な実験内容は2020年度に協議し、早ければ20年度中に実験を始める。
 同社の医療機器や通信機器などを載せた専用車で看護師が患者の自宅に行き、患者がテレビ電話を使って医師に体の状態を知らせるほか、看護師のサポートで測定した血圧や血糖値、心電図の情報を伝えることを想定。公民館などに車を置き、複数の患者を診察することも可能という。
 同社は、トヨタ自動車やソフトバンクなどの異業種が共同で取り組む自動運転の事業に参加。市は今回の実験が将来的に自動運転の開発実験と併せて進められることを見込んでいて、自動運転車を活用したオンライン診療の可能性も模索するとみられる。
 市健康増進課によると、65歳以上の割合を示す高齢化率は10月1日現在で33・1%で、市町村合併した05年と比べて8・6ポイント上昇。在宅医療の需要は高く、牧丘病院の常勤医による訪問診療件数も増加傾向にあり、18年度は4823件だった。
 同課担当者は「市内には山あいの地域があり、車による長時間の移動が医師の負担になっている。先進技術を利用したモデル事業を積極的に行い、過疎地域の持続的な医療につなげたい」と話している。