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【高知県】

赤ちゃんの便をアプリで判定 胆道閉鎖症の見逃し防ぐ

高知新聞 2019年12月19日(木)
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おむつの便を撮影する看護師(南国市の高知大学医学部付属病院)

 赤ちゃんの肝臓の病気を発見するため、人工知能(AI)の技術を使い、便の色の異常を見つける研究が高知大学医学部付属病院などで進んでいる。1カ月健診を活用し、500人以上の便を専用のアプリで判定。高知大学は「精度を高め、人間の目による見逃しを防ぎたい」としている。

 赤ちゃんには生まれつき、または生まれて間もなく、肝臓と腸をつなぐ「胆管」が詰まってしまう「胆道閉鎖症」という病気がある。1万人に1人の割合で発症し、生後60日以内に手術が必要。放置すると、肝臓の組織が壊れて肝硬変を起こし、命に関わる。

 便の色が白色や薄い黄色に変わる特徴があり、母子手帳に便の色をチェックするカードがとじ込まれている。しかし、人の目では見逃しもあるという。高知大の小児外科特任教授、大畠雅之さんによると、県内では昨年、胆道閉鎖症が2人報告され、1人は保護者が便を正常と判断していた。

 判定アプリは聖路加国際大学などが開発し、大畠さんも加わった。実証研究は1月に高知大付属病院で始まり、県立あき総合病院(安芸市)、県立幡多けんみん病院(宿毛市)、高知ファミリークリニック(高知市)が順次参加した。

 赤ちゃんの1カ月健診時に便が入ったおむつを持ってきてもらい、看護師がタブレットで撮影する。10月末までに541人分を撮影し、23例が検査が必要な「要注意」と判定された。このうち、便の色が濃過ぎるなどの理由でAIが誤判定したものもあり、「本来の要注意は10例だった」と大畠さん。今後、判定の精度を高める改良を行う方針だ。

 経過観察が必要な場合は、保護者に気になる便の写真をメールで送信してもらい、判定している。7人ほどが利用しており、大畠さんは「赤ちゃんを連れての受診は大変。お母さんの安心材料になれば」と話している。

 普段から赤ちゃんの便をチェックすることは、胆道閉鎖症以外の肝臓の病気を見つけるためにも重要という。「手遅れにならないために、アプリを早期発見のツールとして確立させたい」と、県内の他施設にも研究への参加を呼び掛けている。(門田朋三)