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【青森県】

リハビリロボで「生活の質向上」弘大病院

東奥日報 2020年1月6日(月)
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HALでリハビリを行う神島さん。「休まず長く歩けるようになった」=2019年6月、弘大病院

 弘前大学医学部付属病院が装着型の医療用リハビリテーションロボット「HAL」を導入してから約3年になる。2019年12月現在、神経難病の患者ら約30人に対して計800回のリハビリを実施。歩く速度が速くなったり、連続歩行距離が延びたりする効果が得られている。19年11月には、自立支援用の新たなHAL1台を導入し、神経難病のほか、脳血管疾患や脊髄疾患のリハビリを行えるようになり対象範囲が広がった。患者は「生活の質が良くなった」と、心のリハビリにもつながっていることを口にする。

 前を見据え、一歩一歩しっかりと歩みを進める。足に取り付けられた機器は、正確なピッチを刻む。

 10年ほど前から難病・筋ジストロフィーを患う神島一さん(69)=青森県弘前市=は19年6月、弘大病院でロボットスーツHALによるリハビリを受けていた。「2年ほど前からリハビリを受けている。休まずに続けて歩けるようになった」。約40分のリハビリの間、表情を緩めて語った。「この病気は治ることはないが、現状維持が目標。スタッフと世間話をしていると気分も楽になる。やって良かった」

 HALは患者が動作を行おうとした際に発生する微弱な電気信号を感知し、モーターが駆動して動作を補助する。15年11月、国が医療機器として承認。弘大が17年3月、北東北の病院で初めて導入した。2、3日おきにリハビリを実施し、1カ月に計9回。これを1セットとし、1〜3カ月の間隔をあけて繰り返す。

 同大リハビリテーション医学講座の津田英一教授は「繰り返して複数セット受ける患者も多く、満足度もおおむね良好。効果は認められている」と手応えを語る。

 弘大病院で昨年11月から自立支援用の新しいHALを導入し、対応疾患が広がったことなどを踏まえ、「ロボットリハビリの分野は、既存の機器の改良や新機器の開発によって、今後あらゆる疾患のリハビリに広がっていくものと考えられている。標準的なリハビリとしてロボットが使われる日も、そう遠くはないのでは」と語る。

 神島さんは、通院が大変な冬場は、HALのリハビリを休み、春から再開する予定だ。50代の時に、心筋梗塞を発症し弘大病院で緊急手術を受け、一命を取り留めた経験を持つ。「弘大に命を救われ、今、こうしてリハビリを続けられている。“おまけの人生”みたいなものだが、今の状態を維持したい。病院のスタッフには感謝している」