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【山梨県】

ゲーム障害 医療で回復 山梨県立北病院、プログラム初導入へ

山梨日日新聞 2020年1月7日(火)
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ゲーム障害の治療プログラムについて話し合うワーキンググループのメンバー。2020年度中の導入を目指している=山梨県韮崎市の県立北病院

 山梨県立北病院(韮崎市旭町上条南割)は2020年度中をめどに、ゲームをしたい衝動を抑えられず、学業や仕事に支障を来す「ゲーム障害」の治療プログラムを県内の医療機関で初めて導入する。患者の大半が10代とされ、入院やデイケアを通して生活リズムを取り戻し、ゲームとの適切な距離を学んでもらう。プログラム策定を担当する山下徹医師(35)は「患者が日常生活を取り戻せるようサポートしたい」と話す。

 「患者の『ゲームがやりたい』という欲求にどのように対処するべきか、考えましょう」。昨年12月23日、ゲーム障害の治療プログラムの内容を検討する、県立北病院のワーキンググループ(会議)。山下医師がメンバーの看護師や作業療法士、心理士らと議論をしていた。
 病院はゲーム障害の治療プログラム導入を目指し、19年7月にワーキンググループを設置。これまで定期的に会合を開いているほか、先進的な治療に取り組んでいる久里浜医療センター(神奈川県)を視察した。
 治療プログラムは、ゲーム障害の患者に規則正しい生活を送ってもらうため、必要に応じて4〜8週間ほど入院してもらい、退院後は定期的なデイケアをする内容を想定。山下医師は「話し合いや体を動かすことを通じて他者と触れ合い、現実世界にやりがいを見いだしてもらう内容としたい」と説明する。
 4〜11月にゲーム障害が疑われ、同病院の精神科を受診した患者は約50人。ほとんどが10代の中高生という。山下医師は「学校生活で問題を抱えて不登校気味になり、一日のほとんどをゲームに費やすケースが多い」と指摘する。
 山下医師によると、多人数で同時に対戦プレーができるオンラインゲームに依存するケースが多く、一人でゲームから抜けることが難しい状況がある。スマートフォンの普及も一因とされ、親の目が届かず手軽に長時間遊べるため自制に限界があるという。
 山下医師はゲーム障害で病院を受診する人は「氷山の一角」とみている。「1人暮らしの社会人は症状に気づくのが難しいこともあり、全体の該当者は相当な人数とみられる。最適な治療プログラムを策定し、ゲームとの適切な距離が保てるようにしていきたい」と話している。