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【静岡県】

「ふるえ」に集束超音波治療 県内初導入、4月開始 磐田の病院

静岡新聞 2020年1月29日(水)
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4月から治療を始める「MRガイド下集束超音波治療」装置=25日、磐田市小立野の豊田えいせい病院

 医療法人社団恵成会が運営する豊田えいせい病院(磐田市小立野)は、日常生活に支障をきたすような手足などの震えを軽減する「MRガイド下集束超音波治療(FUS)」装置を県内で初めて導入し、4月から治療を始める。従来の頭蓋骨に穴を開けて行う外科手術と異なる新たな治療法。「ふるえ外来」を開設し、診断から治療まで一貫体制で対応する。
 手が震えて文字がうまく書けない、コップをうまく持てないなど特定姿勢を取った時に現れる原因不明の「本態性振戦(ほんたいせいしんせん)」と呼ばれる震え症状に対応する。同機器メーカー担当者によると、全国で100万人以上いるとされる。65歳以上の高齢者の発症率が高い。
 治療は超音波と磁気共鳴画像装置(MRI)を併用する。原因とみられる脳深部の神経回路に超音波を集束してピンポイントに照射。熱で凝固させて症状を抑える。MRIで正確な照射位置を特定し、患者と対話しつつ改善効果を確認しながら進める。処置時間は3時間程度という。本態性振戦の治療は、頭に電極を挿入して電気刺激する手術を含めて複数あるが、今回のFUSはメスを入れず局所麻酔で行うため、体への負担は少ない。昨年保険適用された。
 本態性振戦の豊富な治療実績がある浜松医科大付属病院(浜松市東区)と連携を図る。同領域が専門の杉山憲嗣同大脳神経外科准教授(2019年日本定位・機能神経外科学会会長)が春から常勤し共同で研究も進める。
 同装置導入は全国で10例目。恵成会の姫野一成理事長は「治療の選択肢を増やし、地域医療の充実に貢献していきたい」と話す。