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【青森県】

弘大病院ハイブリッド手術室が効果発揮

東奥日報 2020年2月5日(水)
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ハイブリッド手術室で行われた県内初となる「カテーテル的左心耳閉鎖術」=1月29日(弘大病院提供)

 外科手術とカテーテル治療を同時にできる「ハイブリッド手術室」が昨年6月に弘前大学医学部付属病院に整備されて以降、同病院でより高度で効果的な手術が行われるようになった。1月末まで行った手術は215件で、月25件の実施ペース。青森県で未実施だったカテーテル治療もスタートし、心臓や脳の病気の治療に大きく貢献している。同病院の医師は「手術時間や患者の回復までの期間が短くなり、患者の心身の負担が軽減されている」と効果を語る。

 弘大病院は昨年6月、約10億円かけ、手術室と血管撮影室を組み合わせたハイブリッド手術室を院内12番目の手術室として整備。看護師5人、放射線技師1人を増員した。ハイブリッド手術室整備は県立中央病院(青森市)に続いて2番目。

 1月末までの8カ月間の215件の実績を診療科別に見ると、循環器腎臓内科が122件で半数以上を占め、心臓血管外科が49件、脳神経外科が44件だった。

 循環器腎臓内科は昨年11月、心臓弁膜症の高齢の女性に、経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI=タビ)を県内で初めて実施。1月末までに8件のTAVIを行っている。

 TAVIでは、太めのカテーテルを使用するため、外科医が、患者の脚の付け根を2〜3センチほど切開した後、内科医が、画像モニターを見ながらカテーテルを挿入して治療を行う。

 治療を受けた患者からは「息切れの症状が改善し、楽になった」との声が寄せられている。

 循環器腎臓内科は1月29日、不整脈を患う患者に、県内初となる「カテーテル的左心耳閉鎖術」も実施した。

 同科の横山公章講師は「内科・外科それぞれの得意分野の手技を生かして、チームとして治療に当たれるところがハイブリッド手術の利点」と語った。

 同病院脳神経外科の嶋村則人講師は「ハイブリッド手術室は、全身麻酔をかけながら、脳血管内治療を行える環境にあるので、患者が不安を感じずに手術を受けられる。医師もこれまで以上に治療に集中できる」と述べた。

 弘大病院手術部の北山眞任(まさとう)副部長は「カテーテル治療は、一般の外科手術よりも、体の侵襲(体に開ける傷)が少なく、手術時間が半分以下になる症例もある。入院期間が短縮化され、回復までの期間が早まることが最大のメリット」と語る。

 18年9月にハイブリッド手術室を稼働させた県病ではこれまで、月20件程度、同手術室での手術を行っているが、TAVIは実施していないという。