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【青森県】

がんゲノム、弘大専門家会議が始動

東奥日報 2020年3月19日(木)
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エキスパートパネルの前半、がんゲノム医療の説明に聞き入る弘大病院関係者

 昨年9月、国の「がんゲノム医療拠点病院」に指定された弘前大学医学部付属病院は17日、同病院で、専門家会議「エキスパートパネル」の初会合を開き、進行がん3症例の遺伝子検査の結果を基に、患者一人一人に合った治療法を話し合った。がん遺伝子の変異を調べて最適な治療を選ぶ「新時代のオーダーメード治療」が青森県でも動きだした。

 エキスパートパネルは、遺伝医学や病理学、遺伝カウンセリングなどの専門医約20人で構成。同日は、ゲノム医療に関心を持つ関係者らも含め約40人が出席。約40分、非公開で行われた。

 同病院によると、手術や抗がん剤などの標準治療が効かなくなった進行がんの3例について協議。出席者から異常遺伝子の解釈についての活発な意見が出されたという。今回は、分子標的薬使用など具体的な治療方針の決定までは至らなかったが、データは今後のゲノム医療に生かされるという。今後、月1、2回のペースでパネルを開催し、他の症例も検証する。

 同大がんゲノム医療室の佐藤温室長(腫瘍内科学講座教授)は「エキスパートパネルを実施できたことは、青森県のがん医療にとって大きな一歩。データを蓄積・共有することで、国内全体のがん医療向上につながる」と語った。

 エキスパートパネルの主要メンバーの蓮井研悟医師(腫瘍内科学講座)は「ゲノム医療は、がん死亡率が高い青森県において課題解決の糸口になるのではないか」、佐藤知彦医師(小児科学講座)は「大学全体としてがんゲノム医療体制が整ったのは意義深い」と語った。

 弘大病院は昨年9月、全国の34施設の一つ、県内唯一の施設として「がんゲノム医療拠点病院」の指定を受けた。10月には、院内に「がんゲノム医療室」を開設し、11月にもエキスパートパネルを開く予定だったが、機器の準備などのため開催が遅れていた。