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【山梨県】

ダルク、災害避難所に 甲府の本部ビル、地元自治会と協定

山梨日日新聞 2020年3月31日(火)
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地元自治会が一時避難所として使う山梨回復支援センタービル=甲府市幸町

 薬物依存症者らの回復を支援する「山梨ダルク」(佐々木広代表)は、本部がある山梨回復支援センタービル(甲府市幸町)を、災害時に地元の伊勢中部自治会(中沢卓美会長)に一時避難所として提供する。31日に両者が施設使用に関する協定を締結する。全国的には回復支援施設の建設に反対する運動が起きている地域もある中、施設の開放を通して地域住民との共生を進める取り組みとして注目されそうだ。

 全国には約60カ所のダルクがあるが、災害時に地域住民が施設を活用するのは初めて。提供するのは同ビル2階にあるセミナールーム。台風や地震などの大規模災害時に自治会住民を最大70人程度受け入れる。
 同自治会は96世帯が所属。区ごとに近隣のコンビニエンスストアの駐車場や寺の境内などを一時避難場所として定めているが、いずれも屋外で、悪天候の際や夜間などに対応できる避難所が必要だった。
 ビルは昨年5月に開所した。セミナールームは多目的に活用するスペースとして設け、当初から地域への開放も計画していた。同自治会は昨秋、役員会をセミナールームで開き、災害時の利用を申し入れた。
 山梨ダルクは2008年の設立後、13年から幸町に本部を置いている。施設周辺の清掃を行っているほか、地域行事にも参加。地域に溶け込む取り組みを続けている。高齢化が進む地域で、利用者が行事の担い手にもなっている。
 「災害時に使える選択肢が近くに増えれば、住民の安心感になる」と中沢会長。佐々木代表は「活動を続けられるのは地域の理解があってこそ。地域の一員として困ったときに協力するのは当然のことだと思う」としている。