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【長崎県】

障害ある子の母親 働きやすく 佐々の吉居さん リラクセーションサロン開店

長崎新聞 2020年4月2日(木)
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「障害がある子どもの母親に新しい働き方を示したい」と話す吉居さん(右)=佐々町、もみほぐし mom

 北松佐々町でリラクセーションサロンを経営する吉居千夏さん(43)は、障害がある子どもを育てる母親らが働きやすい場をつくるため、サロンの2号店を2月に開店した。自身も自閉症スペクトラム障害がある子どもの育児中で、つらい思いをしたときの支えになったのが仕事だった。「(子ども以外の)誰かのために役立つことを実感できれば元気になれる。母親の気持ちを楽にしたい」と熱意を注ぐ。4月2日は世界自閉症啓発デー。

 吉居さんの長男(6)が健診で初めて発達について指摘を受けたのは1歳半のころ。発話がないことや視線が合わないことを心配された。「いつか話すだろう」。軽い気持ちで療育を続けた3歳ごろ、病院で受け取った紹介状の中に病名を見つけた。将来自立した生活ができるのか、障害は自分のせいではないか−。悪い考えばかりが頭に浮かんだ。

 一方、子育て中にリンパマッサージなどを学び、開業。仕事に集中する時間と客の喜ぶ声は「どん底」の気持ちを和らげた。さらに、予約制で客が来店する日時を調整できるため、ほかの障害児の母親にとっても働きやすい環境だと気付いた。「仕事の時間は大切。だが、療育の付き添いなどをしながら働ける職場はあまりない」。同じ境遇の母親が技術を身に付け、活躍できる場をつくろうと2号店の開店を決めた。

 新しい店舗「もみほぐし mom」(佐々町羽須和免)では、店舗に加え企業への出張サービスを中心に展開する計画。スタッフとして早速、自閉症スペクトラム障害の子どもを育てる豊島愛美さん(37)を迎えた。以前の職場では療育の意味が理解されず、休暇が取りづらい雰囲気を経験した豊島さん。「同情ではなく気持ちを理解してくれるので話しやすい。長く勤めたい」と笑顔を見せる。

 同じ悩みを抱える母親により多く就労の機会をつくるため、現在は訪問サービスなどで受け入れてくれる企業の開拓に力を入れる。吉居さんは「自分の思いを話せる場所があることを知ってもらい、新しい働き方を示せる場にしたい」と話した。

 「もみほぐし mom」では2日午前10時〜午後5時、発達障害や発達に不安がある子どもの家族向けに無料で30分のもみほぐしのサービスを提供する。要予約。問い合わせは同店(電080.4316.4858)。