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【岩手県】

待合室での感染防ごう 待機数公開、岩手県内医療機関でも

岩手日報 2020年4月17日(金)
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盛岡市のちば耳鼻咽喉科クリニックのホームページ。スマートフォンでも待機人数が分かるようにした

 混雑する待合室での新型コロナウイルスへの感染を避けようと、診療機関がさまざまな工夫を展開している。岩手県内の医院は、診察待ちの人数をスマートフォンなどで確認できる取り組みを開始。スマホなどを使って離れた場所から診察するオンライン診療の利用者も全国で急増している。厚生労働省は今回の感染対応のため、遠隔診療の実施規制を特例で緩和した。

 盛岡市紺屋町のちば耳鼻咽喉科クリニックは3月から、診察の待ち人数をホームページ(HP)上で公開している。受診までの目安を示して院内の滞在時間を短くし、待合室の混雑を防ぐ。可能なら駐車場の自家用車内での待機も推奨。患者同士の接触感染防止として、待合室の新聞や雑誌の設置も取りやめた。

 千葉隆史院長(53)は「HPでの公開は今回、急きょ始めた。高齢者には難しい部分はあるが、患者さんから『目安が分かって良い』との意見をもらっている」とし、将来的な導入を検討していたオンライン診察も準備を急ぐ。

 感染拡大を受け、オンライン診療の需要は増えている。東京都豊島区のJR大塚駅前にある「山下診療所大塚」はこれまで約10人だった遠隔診療の利用者が2月後半から増えて約30人に。通院や待合室での混雑を避けるためという。

 山下巌院長(55)は「感染リスクを回避しつつ、通院コストを下げて生活習慣病などの治療を続けられる」と利点を強調する。

 オンライン診療は従来、離島やへき地に限って認められていたが、その後は範囲が広がり、2018年度から診察の対価となる正式な診療報酬が設けられた。糖尿病や高血圧症といった生活習慣病のほか、難病などを対象としている。

 厚労省は2月以降、感染防止に向けオンライン診療のルールを弾力化。本来必要な、事前の診療計画がなくても実施できるとした。今後の特例措置として、感染が広がった場合に重症者が優先的に入院できるよう、軽症か無症状で自宅療養する同ウイルス陽性患者にも遠隔診療が可能とした。さらに4月には、対面診療が原則の初診患者でも認めることにした。

 オンライン診療のアプリを手がける企業「MICIN(マイシン)」によると、直近1カ月は、同社と新規契約した医療機関数とオンライン診療の実施回数が、いずれも通常時の2〜3倍に伸びた。担当者は「実施できる医療機関数はまだまだ少ない。希望者が受けられるよう普及を後押ししたい」と話す。