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【静岡県】

歯科医が感染対策強化、コロナ防ぎ安心治療を 体制整え情報共有 静岡

静岡新聞 2020年5月8日(金)
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フェースシールドなどを着用して歯科の治療に当たる歯科医(右)。歯科診療の現場からの感染防止に尽力する=4月下旬、沼津市

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、静岡県内の歯科医が感染防止対策を強化している。自覚症状のない患者の来院や飛沫(ひまつ)など感染リスクの高い現場。先延ばしできない治療もあるため、沼津市歯科医師会は「感染への不安と戦いながら、地域住民の健康を守るため体制を整えている」と患者の健康維持に歯科診療が担う役割を指摘する。
 「まずは検温をお願いします」。沼津市末広町のある歯科医院では来院者の検温を徹底する。患者同士の密接を避けるため待合室では間隔を取って座るよう呼び掛け、窓を開放するなど3密を回避する配慮を欠かさない。医師は感染予防のため、診療内容に応じてフェースシールドやヘッドキャップを着用して治療に当たる。
 同市歯科医師会(竹内純子会長)は独自に新型コロナの感染対策室を設置し、(1)情報のトリアージ(2)物資の調達(3)感染対策の強化・徹底―を柱に感染拡大予防に努める。国からの要請や情報に優先順位を付けて会員に発信し、不足する器材や懸念事項を問うアンケートも実施。改善に向けて上部組織に掛け合うなど尽力する。
 輪番制で行う休日当番医は、患者の居住地を問わず受け入れることになるため、マスクなどの物資を優先的に配布したり、来院時の健康状態の確認を強化したりしている。クラスター(感染者集団)の発生防止へ、安心安全な治療環境の確保に一層気を使う。
 静岡市静岡歯科医師会は、役員らがSNSなどで意見交換を重ねて情報共有を図る。患者の減少に伴う収入減が深刻さを増し、国の補助金制度を周知するなど医院の運営支援に取り組む。6月上旬の「歯と口の健康週間」の関連行事は中止を決めたが、啓発のための代替企画を検討するという。
 竹内会長によると、飛沫感染への不安などから、各地の歯科医院では診療予約のキャンセルが相次いでいるという。しかし、疾病の種類、程度によっては、放置することで進行や重症化を早める。食事や会話が困難になるなど、日常生活に影響が及ぶこともある。竹内会長は「治療を継続するか中断するかは自己判断せず、かかりつけの歯医者さんに相談して」と強調している。