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【静岡県】

二次感染避け搬送 コロナ、緊張続く救急隊 長期戦見据えて備え

静岡新聞 2020年5月28日(木)
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車内にビニール製シートが取り付けられた救急車=5月中旬、静岡市駿河区の駿河消防署

 新型コロナウイルス感染症対策として、静岡県内各消防本部の救急隊が患者搬送時の感染防止に向けた取り組みを続けている。県外では救急活動時の感染例もあり、隊員間で感染が広がると救急体制に支障が出る恐れもある。緊急事態宣言は解除されたが、各消防本部は感染の第2波、第3波に備えて細心の注意を払っている。
 「患者に発熱や息苦しさの症状があると、これまで以上に緊張が走る」。静岡市消防局駿河消防署の尾山保徳救急係長(52)は見えない敵と戦うプレッシャーを吐露する。
 感染症の流行拡大に合わせ、搬送時の対策は強化された。現場到着直後に患者の体温を測定し、少しでも感染を疑えば患者にマスクを着用。隊員もウイルスを防ぐ高性能の「N95マスク」に替える。全ての救急車両の天井にはビニール製シートを取り付けて飛沫(ひまつ)感染を防止。さらに陽性患者の場合、原子力災害時に使う防護服に着替える。
 ただ、軽症者や発熱症状のない患者から感染する可能性もある。尾山係長は「感染の危険性が判断しやすい重症者とは違う怖さがある」と語り、「いつ感染が再び拡大するのかわからない。油断ならない状態が続く」と長期戦を見据える。
 これまでに県内で2番目に多い10人の患者が確認されている富士宮市。同市消防本部の担当者は、ゴーグルや手袋など隊員を守る備品に加えて「患者が感染している可能性が高いと判断すれば、テント内に隔離して搬送できる『アイソポッド』を使用する」と話す。
 また、首都圏などで相次ぐ患者の搬送先が決まらない「たらい回し」について、同市消防本部は「保健所、医療機関と十分連携して防いでいる」と説明。静岡市消防局もこれまで混乱した事例はないとするが、県は国からの要請を受け、患者を優先的に受け入れる医療機関の設定などの対策を検討している。