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【福島県】

民間世界初「次世代がん治療」開始 郡山・南東北研究センター

福島民友新聞 2020年5月28日(木)
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BNCTによる治療のイメージ

 郡山市の脳神経疾患研究所付属南東北BNCT研究センターは26日、中性子を利用したがん治療法「ホウ素中性子捕捉療法」(略称・BNCT)による治療を始めた。同センターによると、民間の医療機関でBNCTの治療を行うのは世界初。6月から一般患者を対象に保険診療をスタートする。

 BNCTは、エネルギーの低い中性子とがん細胞・組織に集積するホウ素化合物の反応を利用し、がん細胞をピンポイントで破壊する粒子線治療の一つ。正常な細胞への影響を極力抑えることができ、体への負担が少ない。治療(患部への中性子の照射)回数は基本的に1回で、患者は治療台の上に寝た姿勢で40〜50分程度で治療が終わる。

 既存の放射線治療や外科手術では治すことが難しかった局所再発がんや局所進行がんにも有効とされ、「次世代の放射線がん治療法」として注目されている。当面は首から上の頭頸部(とうけいぶ)がんの治療が中心となるが、将来的には治療できる部位がさらに広がることが期待されているという。2、3年後に年間300〜350人程度の治療が可能になるとみている。

 同日は、左中咽頭がんでこれまでに外科手術や放射線治療などを行い、3度目の再発をした50代男性に対し治療した。国立がんセンター中央病院からの依頼を受け、保険適応前の評価療養として行った。

 同センターは、県の医療関連産業集積プロジェクト補助事業の指定を受け2016〜18年に頭頸部や脳腫瘍の35例を治験。3月には、厚生労働省から医療機器として認可を受けた。

 南東北病院グループの渡辺一夫理事長、高井良尋センター長らが記者会見し、治療開始を報告した。