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【青森県】

「ドナー休暇」青森県内企業などで導入の動き

東奥日報 2020年6月18日(木)
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 白血病患者らへの治療に必要な造血幹細胞を無償提供する「骨髄ドナー」の負担を軽くするため、骨髄採取に伴う入院や検査のための休暇制度を導入する動きが、県内の企業・団体に出始めている。国家公務員にはドナーに選ばれた際の休暇制度が法律で認められ、全国のほとんどの自治体にもドナー休暇制度があるが、企業・団体の導入は全国的に遅れており、青森県を含む東北6県はいずれも1〜3社・団体にとどまっている。県内の関係者は一層の広がりを期待している。

 日本骨髄バンクによると、ドナー登録者のうち、患者に適合した「ドナー候補者」が実際に骨髄提供するまでには、通常1週間から10日程度必要。しかし、候補者に選ばれても約6割が自己都合で辞退しているという。健康上の都合を除くと、断念理由として「仕事を休めない」などの理由が多く、休暇制度の不備が、ドナーの障壁となっている実情がある。

 県信用保証協会(青森市)は「間接的にでも社会貢献になれば」(三橋治彦専務)との理由から休暇制度導入を決め、日本骨髄バンク担当者の説明を受けるなど、前年度から準備を進めてきた。ドナー候補者が日本骨髄バンクから受ける入院手続き書類などを基に、通常の有給休暇とは別に必要な日数を有給休暇として認める仕組みで、6月から運用を始めた。

 まだ活用例はなく、職員に制度や骨髄ドナーについての周知を図っている。佐々潤哉総務課長は「休暇制度の周知はもちろん、休んだ職員をフォローできる職場づくりも必要という認識を広めていきたい」と話した。

 休暇制度を設けている企業・団体として日本骨髄バンクが把握しているのは全国で598社・団体。県骨髄ドナー登録推進会によると、県内の企業・団体では同協会が導入2例目で、10年前に八戸市の民間医療機関も導入しているという。同推進会の佐藤孝治代表は「県内企業で骨髄提供しやすい環境整備が進み、ありがたい。これがさらに他の企業にも広がれば、もっと救える命がある」と話している。

 県は2019年、ドナー登録者と骨髄移植件数の増加を目指し、ドナー候補者本人や勤務先へ休業補償を行う県内市町村を助成する制度を整備した。県によると、20年1月時点で13市町村が休業補償制度を導入している。県内で19年1年間に骨髄を提供したのは13人。