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【島根県】

失語症者の力になりたい 支援者養成、松江で開始 市民10人、場面想定し対話

山陰中央新報 2020年8月11日(火)
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実際の場面を想定して失語症者とのコミュニケーション手法を学ぶ受講生=松江市学園南1丁目、くにびきメッセ

 脳疾患などが原因で言葉や数字に関する機能が低下する「失語症」の支援者を養成する取り組みが8日、松江市内で始まった。市が主催する講座で市民10人が11月下旬まで失語症に関する基礎知識などを学び、「意思疎通支援者」として日常生活の支援に当たる。島根県内で初の取り組みで、失語症に対する社会の理解と支援の輪を広げるきっかけとなりそうだ。

 意思疎通支援者の養成は国が2018年に制度化し、都道府県や中核市が事業を担う。支援者となるには40時間以上の講習を受ける必要があり、松江市は11月28日まで計8回の講座を予定。言語聴覚士による講義や失語症者との対話などを通してコミュニケーション手法を習得する。

 くにびきメッセ(松江市学園南1丁目)で8日にあった初回講座では、受講生が「話すことはできる」「右半身のまひを伴うことがある」といった失語症の特徴を座学で学んだほか、筆記や身ぶりを交えて対話するロールプレイ(役割演技)を2人一組で体験。失語症の人とのコミュニケーションをうまく図れなかった経験から受講を決めた同市西川津町の菅原健治さん(71)は「信頼関係を築き、外出などの力になれるよう、学んでいきたい」と意気込んだ。

 失語症は脳卒中などによる大脳の言語中枢の損傷が原因で、読解や記述が困難になる症状。県言語聴覚士会(門脇康浩会長)によると、市内では年間120人ほどの発症者がいるとされるが、自宅に閉じこもりがちになるケースも多く、社会的な認知度は低い。

 市は受講生を意思疎通支援者として登録し、失語症者宅などに派遣する事業を21年度から実施する考えで、具体的な失語症者数の把握を急いでいる。