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【徳島県】

症状似るコロナと熱中症 救急現場、対応に苦慮 感染防止徹底が負担に

徳島新聞 2020年8月24日(月)
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全ての出動時に感染防止衣を身に着けている救急隊員( 左)。(右)は着用前=徳島市消防局

 徳島県内で厳しい暑さが続く中、熱中症で搬送される人が相次いでいる。発熱やだるさといった初期症状は新型コロナウイルスに感染した場合と似ており、救急や医療の現場では双方を警戒した対応に苦慮している。
 消防庁によると、県内で6月1日〜8月16日に熱中症で搬送されたのは247人(速報値)。中でも気温が上昇した8月10〜16日の1週間は65人と急増している。
 「脚に力が入らず、動けない」。8月中旬、徳島市消防局に80代男性から119番通報が入った。救急隊が駆け付けると、微熱や脱力症状があり、熱中症とも新型コロナ感染症とも判断がつかなかった。
 「冷房を使っていたか」「新型コロナの流行地を訪れたか」といった状況を聞き取り、病院に運んだ。診断の結果は熱中症。40代隊員は「最後までコロナの可能性が拭えず緊張した。自分が感染して他人にうつしてしまう恐れもあり、常に気を引き締めている」と話した。
 市消防局は4月中旬から隊員の感染対策を強化した。交通事故を含む全ての出動で感染防止衣を着用。手袋を二重にはめ、気密性が高いN95マスクやゴーグルを身に着けている。搬送後は毎回、救急車内をアルコールやオゾンガスで消毒する。
 装備を万全にするあまり、隊員自身が熱中症になる危険もある。青木憲一消防司令(46)は「コロナの疑いを常に想定して対応しないと感染は防げない。こまめに水分を取るなど隊員の熱中症予防も徹底したい」と話している。
救急搬送を受け入れる医療機関でも、今夏は例年と異なる対応を取っている。発熱や倦怠(けんたい)感、吐き気など熱中症の症状は新型コロナの初期症状と似ており、徳島市民病院の柿内聡司内科主任医長(47)は「屋外で活動していたなど典型的な熱中症のケースでも、発熱などの症状があれば新型コロナの可能性を否定できない」と言う。
 市民病院では問診や検温のほか、患者の動線を分けたりガウンやフェースシールドを身に着けたりして、院内感染を防ぐための対策を強めている。柿内医師は「例年以上の緊張感があり、装備を手厚くするなど負担は大きい」と話した。
 徳島地方気象台によると、今後2週間ほどは湿った空気の影響で曇りや雨の日があるものの、高気圧に覆われて晴れる日が多く、気温の高い状態が続く見込み。引き続き熱中症予防など健康管理に注意するよう呼び掛けている。