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【岩手県】

子ども感染防止 あの手この手 県内、健康観察や距離対策強化

岩手日報 2020年8月25日(火)
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校庭から戻り、入念に手洗いやうがいを行う鵜飼小児童。学校現場は感染防止へ対策を重ねる=滝沢市鵜飼洞畑

 新学期が始まり、県内の学校現場は新型コロナウイルスの感染対策と健康管理に腐心している。島根県の高校の寮で今月、約100人規模のクラスター(感染者集団)が発生し、全国的に子どもの集団生活の場で緊張感が高まる。一方健康観察の強化によるほかの病気の予防効果を挙げる声も。幼児には感染対策そのものを教える難しさもあるが、教員らは工夫を重ねながら教育・保育の場で新たな生活様式を推し進める。

 滝沢市鵜飼洞畑の鵜飼小(太田厚子校長、児童660人)は毎朝、自宅で体温を記したカードを昇降口などで担任らが確認。教室でも発熱などがないか健康状態を把握する。登校時や業間休み後、給食前などこまめに手洗いやうがい、水分補給し、コップは自宅から持参。児童のマスク着用率は100%だ。

 委員会活動で児童自らが積極的に感染対策を呼び掛け、マラソンや縄跳びなど体力づくりにも重点を置く。1学期は全校で病欠ゼロが2日あった。児童数が多い同校では珍しく、太田校長は「毎朝の健康観察のおかげ。コロナというピンチをチャンスに変え、保護者や地域と協力し乗り越えたい」と力を込める。

 大勢が共同生活を送る学生寮は感染防止へ新たな対策を立てる。同市砂込の盛岡農高(神山秀市校長、生徒526人)の寄宿舎「自彊(じきょう)寮」は5学科中3学科の1年生を対象にした一定期間入寮の義務を、本年度はなくした。

 現在は遠隔地出身者ら例年の6割程度の126人が生活。1部屋当たりの人数を減らし、食事は対面式をやめた。1日2回の検温や換気、消毒も徹底。他県の寮のクラスター発生を受け、18日の寮生集会で教職員が対策徹底を呼び掛けた。

 寮内行事も中止や縮小を余儀なくされ、副寮長の谷地歩夢(あゆむ)さん(3年)は「1年生と接する機会が少なく残念だが、できる範囲で交流している。全員で対策をしっかり続ける」と誓う。

 幼児を預かる場も苦心が続く。大槌町吉里吉里のつつみこども園(芳賀カンナ園長、園児73人)は非接触式体温測定機器を今月導入。タブレット端末にカメラを付け、園児や職員の体温を測定、記録する。本来部屋で行う保護者への園児の引き渡しは、他者との接触を減らし玄関で行う。

 トイレやおもちゃの順番を待つ際に距離を取るよう目安として床に貼る「足跡マーク」は以前より離し、行事や遊びでも距離を教える。おもちゃ消毒やおむつ交換時の手袋着用など年中感染対策に徹しており、芳賀園長(52)は「大変だが当たり前でもある。より一層意識して対策したい」と強調する。