
アナフィラキシーショックになった被接種者を想定した緊急搬送の訓練
【那須塩原・大田原・那須】新型コロナウイルス感染症のワクチン接種に向けて、那須塩原、大田原の両市と那須町は合同で、那須塩原市の三和住宅にしなすのスポーツプラザで集団接種訓練を実施した。県内の複数自治体が合同訓練するのは初。
渡辺美知太郎(わたなべみちたろう)那須塩原市長や大田原市の藤原和美(ふじわらかずみ)副市長、那須町の高内章(たかうちあきら)副町長をはじめ、3市町の職員ら約70人が参加。那須郡市医師会も協力し、実際に本番のワクチン接種を行う医師や看護師が訓練に臨んだ。
ワクチンの解凍や希釈の手順などを確認し、受け付けから退場まで一連の流れを訓練。被接種者がアナフィラキシーショックを起こした場合に備え、緊急搬送のシミュレーションも行った。
訓練の結果、1時間当たり約50人が接種でき、具合の悪い被接種者の緊急搬送に約8分かかることなどが分かった。参加した小沼一郎(こぬまいちろう)同医師会長は、被接種者に「腕を出しやすい服装で来るよう案内する必要がある」などと指摘した。
訓練後の記者会見で、渡辺市長は「(接種のペースは)想定通りだが、一般の人が対象になるともっと時間がかかるので、見つけた課題を改善していく」などと述べた。
基本型接種施設や連携型接種施設以外の病院などに勤める3市町の医療従事者約2400人は、本番でも同会場を使って集団接種する予定。