
がん教育の意義を考えた講演会=27日午後、松山市二番町3丁目
学校現場でのがん教育をテーマとする講演会が27日、松山市であり、研究者らががんに関する正しい知識や健康について学ぶ教育の意義を強調した。がん教育は新学習指導要領に盛り込まれ、中学校に続き2022年度からは高校でも実施される。
愛媛大大学院教育学研究科の樫木暢子教授は小児がんの児童を理解する教育を小学校で実践したと紹介。「『怖い病気』だからこそ正しい知識を得て健康や命を考えることが重要。外部人材の活用に向けて地域との相互理解を深め、教員が情報を共有して発達段階に応じた形で進めてほしい」と述べた。
認定NPO法人ラ・ファミリエの西朋子理事は、がんなどの病気の子どもらを支援する中で「本人には今まで通り接してほしいとの願いがある。周囲の理解があって、誰もが暮らしやすい社会の実現につながる」と強調。きょうだいへの支援も必要と訴えた。
四国がんセンターの心理療法士の井上実穂さんは「自分ががんだと子どもに伝えられない親は多い。一方で子どもは親を理解しようとし、助けたい気持ちを持っている」と説明。親の病気を知らされた子どもの方がストレス症状が少ないとの調査結果も示した。