
自宅療養者でも簡単に栄養ある料理を作れるようにとレシピを開発した学生=各務原市那加桐野町、東海学院大
新型コロナウイルスの感染が続く中、連携協定を結ぶ岐阜県美濃加茂市と東海学院大(各務原市那加桐野町)は、自宅療養者に届けるための食事レシピを開発した。市が保存する、お湯や水を入れると食べられるようになる「アルファ米」をレシピとともに市民に提供する予定。冷蔵庫に常備されていることが多い肉や野菜と調理して栄養ある料理に仕上げられる。「体が弱っているときにこそビタミンやタンパク質を多く摂取してほしい」と学生らは話している。
両者は2020年、栄養と健康に関する連携協定を締結。本年度は備蓄した食品を一定期間内に食べ、減った分を買い足す「ローリングストック」への関心を高めてもらおうと、美濃加茂市が蓄えている保存食を使った簡単レシピを同大管理栄養学科の学生が考案していた。
しかし、オミクロン株の影響で年明けから急激に感染者が増加。県によると、自宅療養者はピーク時で4千人を超え、美濃加茂市の推測によると市内にも400人前後はいたという。
もともとローリングストックへの関心を高めるために開発していたレシピをアレンジ。たまご雑炊やビビンバなど5品のレシピを完成させた。買い物に行けない前提で、多くの市民の自宅の冷蔵庫にある野菜や肉などを、市が提供するわかめご飯や五目ご飯などと組み合わせて簡単に調理できるようになっている。
アルファ米のわかめご飯などは通常の白飯より塩分が高いことから、リーダーの4年女子学生(22)は「アルファ米の分量を半分にして、自宅にある白飯を混ぜることで塩分量を調整した」と話す。
今後、「第7波」など感染者が増える状況になり、市民から要望があった場合、市職員が保存食と共に開発したレシピも届ける予定。市防災安全課の板津広行課長補佐は「ただご飯だけを届けるだけでなく、栄養を考えたレシピも一緒に届けられるのはありがたい」と感謝した。