
膵臓がんなどの早期発見に取り組む小林センター長=川崎市宮前区の聖マリアンナ医科大学
聖マリアンナ医科大学病院(川崎市宮前区)が「胆道・膵臓(すいぞう)病センター」を設立し、診断が難しい胆道がんや膵臓がんの早期発見に取り組んでいる。近隣の医療機関と連携し、がん発生のリスクがある患者を積極的に検査し、症状が現れる前の発見を目指す。
胆道がんや膵臓がんは、一般的な健康診断では発見しにくい。進行すると皮膚や白目が黄色く変色する黄だんなどの症状が現れるが、治療が難しいステージまで進行していることも多く、生存率が比較的低いのが特徴。患者は増加傾向にある。
治療に当たっている同病院は、生存率を上げるために体制を整備し、1月に同センターを設立。近隣の医療機関と連携し、膵臓がんとの関連が指摘される糖尿病や遺伝的なリスクがある患者に同病院を紹介してもらい、定期的に精密検査を行っている。これまでに胃がんを早期発見し、簡単な手術で切除できたケースもあるという。
小規模な医療機関では高度な検査機器を備えていないこともあり、大学病院などとの連携は重要になる。早期発見できれば、治療による患者の身体的な負担が減り、生存率向上が期待される。同センターは胆石や胆管炎などの疾患にも対応し、治療後はリハビリや栄養管理のサポートもする。
同センターの小林慎二郎センター長は「難治性がんでも早期発見し、適切な治療を行えば治癒を目指すことは不可能ではない。治療後もきめ細かくサポートしたい」と話している。
同病院は、紹介状がなくても平日午前11時まで初診対応している。