
患者役の人に12誘導心電図電送システムを使用する救急隊員
救急隊が現場からインターネットで患者の心電図データを病院に送る「12誘導心電図伝送システム」について、福島市などは11日、福島医大病院で、市消防本部の救急車3台に導入した同システムの運用方法を報道陣に公開した。
同システムの利用により、これまで口頭で伝えていた心電図データを医師や看護師らが即時に共有できるため、急性心筋梗塞の治療までの時間が約20分短縮できるという。
市消防本部は8月15日に県内で初めて同システムを導入。現在は福島医大病院など市内7病院と連携しており、運用後、同システムを使った搬送事例が44件あった。
報道陣への公開では、救急隊員が救急車内で患者役の人に心電図の測定装置を装着したり、心電図データなどを医師に伝えたりする様子を紹介した。
福島医大循環器内科の八巻尚洋(たかよし)准教授は本県の急性心筋梗塞の死亡率が高い状況を踏まえ「システムの導入によって、福島市内でカテーテル治療できる全ての病院で受け入れられる状況をつくった。急性心筋梗塞の死亡率の改善につながればうれしい」と述べた。