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【高知県】

「院外出産」対応人材養成を 高知県で救命士の研修進む

高知新聞 2020年3月2日(月)
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お産の介助を学ぶ救急救命士ら(高知市池の高知県立大学)

地震発生時の備えも期待
 救急車内など、病院以外での予期せぬ出産に対応できる救命救急士らを養成する取り組みが高知県内で進んでいる。高知医療センター(高知市池)が中心になって研修会を開いており、県内の救命救急士の約3分の1に当たる計105人が受講。関係者は「医療機関や交通網が混乱する南海トラフ地震の備えにもなる」と期待を込める。

 県内で出産できる施設は年々減り、現在は14施設(病院7、診療所6、助産院1)。県中央部を除くと、安芸市と宿毛市に各1病院、四万十市に1診療所のみで、救急車の搬送中に妊産婦への対応が求められるケースも多くなる。

 医療センターの林和俊・総合周産期母子医療センター長らが2016年に、県内の救急隊員約700人に行った調査では、66%が「妊産婦の搬送に関わったことがある」と回答。「搬送に不安を感じる」との声もあり、医療センターは同年に研修会を始め、翌年から県事業として年1、2回行われている。

 参加者はNPO法人「周生期医療支援機構」(石川県)が行う「BLSO(ブルソー)」と呼ばれる教育コースを受講。医師らの指導の下、妊婦の腹部と新生児の人形を使って、お産の介助などを1日かけて学ぶ。

 2月上旬の研修会には約20人が参加。赤ちゃんの頭を支えて生まれるスピードをコントロールする方法や、産後出血への対応、新生児の蘇生などを何度も練習した。仁淀消防組合日高分署の田中誠士さん(33)は「訓練する機会がないので、こういう研修はありがたい」と話していた。

 研修会は2019年度末までの予定だったが、継続を求める声が多く、来年度以降も開催する方針。林センター長は「病院外での出産を推奨するわけではないが、高知県には必要な取り組み。これまでの受講者と協力し、高知市以外での出前講座も開きたい」と話している。(山本仁)