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【熊本県】

熊本県山都町の子ども食堂2年目へ 食事通して地域交流後押し

熊本日日新聞 2020年3月3日(火)
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2年目を迎えた山都町の「子ども地域食堂」。多くの人が利用し、地域の交流の場になっている=同町

 熊本県山都町の「子ども地域食堂」が2年目に入った。運営の手伝いや無償の食材提供など多くの住民の協力もあって、食事を通して地域の交流を後押ししている。

 冷え込んだ2月中旬の午後6時すぎ。山都町浜町の交流スペース「山都ふらっと」で開かれた子ども地域食堂は、約60人が詰め掛け大にぎわいだった。「よう来たね。今日は寒かな」「お代わりはどがんね。子どもはいっぱい食べなん」。主催者の藤本千代美さん(68)=自営業、同町=は笑顔で参加者に話し掛け、もてなしていた。

 「おいしいし、おなかいっぱいになる。助かるね」と同町の高橋鎮也さん(75)。1人暮らしの高橋さんは「みんなで話しながらの食事は楽しい。ありがたい」と笑顔を見せた。

 同食堂は毎月第3火曜の午後5〜8時、「山都ふらっと」で開催。大人300円、高校生以下100円で、地元の旬の野菜をふんだんに使う料理を提供する。藤本さんが地域の交流の場をつくろうと昨年2月、友人たちと始めた。

 毎回のようにボランティアが10人前後、運営を手伝い、町内の農家が野菜や果物、米などを無償で提供する。料金を多めに支払う参加者もいて、寄付金も集まった。赤字の月もあったが、最初の1年はなんとか黒字にこぎ着けた。

 運営を手伝う同町の水野禮子[れいこ]さん(79)は「お客さんやボランティア同士の交流の輪が広がって楽しい。生きがいです」。1月までの参加者はボランティアを含めて延べ595人。参加者は高齢者が多く、藤本さんは「1人暮らしの高齢者の顔が見えて、楽しそうに食事してくれるのがうれしい」と話す。

 一方で、この1年間に来た子どもは延べ144人と全体の2割弱にとどまった。「子どもの声は地域を元気にするし、子どもには高齢者と食事しながら話す経験をしてほしい」と藤本さん。今後は地域の学校に子どもの参加を呼び掛けてもらうつもりだ。

 手探りの1年間を振り返って、藤本さんは「多くの人が協力してくれたおかげで、山都ならではの形をつくることができた」と手応えを語る。次に目指すは開催を月2回に増やすことだが、「運営側も来る人も、居心地の良い空間をつくりたい。みんなで楽しく、''でけたしこ''ですたい」。(九重陽平)