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児童福祉

【富山県】

VRで対人関係学ぶ 富山のデイサービスが発達障害児支援

北日本新聞 2020年3月30日(月)
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VR機器を装着し、プログラムを体験する児童(右)。隣ではスタッフが映像を確認しながら見守る=ヴィストカレッジ富山駅前

 VR(仮想現実)機器を使って対人コミュニケーションを学ぶプログラムを、発達障害のある子どもらのための放課後等デイサービス施設「ヴィストカレッジ富山駅前」(富山市神通本町)が取り入れている。学校などで起こりうる場面をVR機器で疑似体験することで、周囲の状況や人の気持ちを読み取る力を伸ばす取り組みだ。

 発達障害の一つである自閉症スペクトラム障害は、他人の気持ちを考えたり、周囲に合わせて行動するのが苦手とされる。ヴィストカレッジ富山駅前では対人関係を学ぶため、現実に起こる場面を想定して役を演じるロールプレイなどを行ってきたが、現実の場面を想像しづらい子が多かったという。

 プログラムでは、専用のゴーグルを使用。装着すると、目の前に教室などの空間が再現される。友人や先生とのやりとりを収めた3分程度の映像を見た後、自分が取る行動を複数の選択肢から選ぶという内容だ。

 富山市内の小学校に通う男児は、消しゴムを貸してくれた同級生にお礼を伝える場面を体験。隣でスタッフがタブレット端末を使い映像を確認した。正しい選択肢を選んでプログラムを終えると、選んだ理由や状況を2人で話し合って理解を深めた。

 男児は「本当に友達と話しているみたいで楽しい。もっとやりたい」と笑顔を浮かべ、母親(37)も「息子は目からの情報が入りやすい『視覚優位』なので、分かりやすいはず」と期待を寄せていた。

 体験できる場面は、授業でのグループワークや友達との会話など約30種類。ITベンチャーのジョリーグッド(東京)が開発した。同施設では今年1月に試験的に導入し、これまで数人が体験している。林原洋二郎エリアマネージャーは「リアルな場面を体験できるのが画期的で、楽しみながら学べるので高い効果が期待できる」と話した。