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児童福祉

【愛媛県】

西日本豪雨2年 災害時、児童館の役割は 大雨警報4日後に再開

愛媛新聞 2020年7月9日(木)
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西日本豪雨の支援の記録が残る喜多児童館の掲示板

【居場所づくり物資呼び掛け 何でもない生活送れるよう】
 地域が被災したとき、児童館に何ができるのか―。2018年7月の西日本豪雨。大洲市に大雨警報や肱川氾濫注意情報が出された同6日から4日後、建物の浸水被害を免れた同市若宮の喜多児童館には近隣の小学生たちが集まっていた。「特別すごいことはできない。ほやけど、安心して過ごせる場所にはなれるんじゃないか」。梅原操館長(47)は21日間連続で開館し、子どもたちの居場所づくりや物資提供の呼び掛けに奔走した。

 「周辺の水は引いているがひどい…復興までに時間を要すと感じる」。梅原館長は同年7月9日の日誌に記し、翌日に管轄する市子育て支援課に臨時開館を打診。児童館の水や電気などのライフラインは正常で、自身、職員ともに自宅も無事で「開けない理由がなかった」と振り返る。
 大雨の後は猛暑。大人たちは家の片付けに追われ「子どもたちが外で遊べる状況ではなかった」(梅原館長)。臨時開館初日の10日は小学生46人が訪れ、2日後の利用者は100人を超えた。開館は市の防災無線や喜多小学校の校内放送で知らせた。「市役所は臨時開館を『ええことや』と言ってくれたし、周囲からは『こんな時に児童館を開けるなんて』という声どころか、子どもへの差し入れをたくさんもらった」と感謝する。保護者の中には「普通におやつを食べて遊んで過ごしたと、子どもに聞いて涙が出た」と話す人も。児童館には災害時の子どもの居場所づくりの役割と可能性があることを再確認した。
 梅原館長は「災害時、子どもたちには遊んだりごろごろしたりする何でもない生活を送れる場所も必要」と指摘。「児童館は保育士資格や教員免許を持った職員らが働き、多世代が触れ合える。普段も災害時も、地域の人が困った時に立ち寄ろうと思える場所でありたい」と決意に力を込めた。