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児童福祉

【秋田県】

療養と学習の両立手助け 秋田きらり支援にサポートセンター

秋田魁新報 2020年9月16日(水)
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サポートセンターでは、進藤アドバイザー(左)ら5人の教員が学習支援や相談対応に当たる

 入院や自宅療養のため学校に通えない子どもたちの学習を支援しようと、秋田きらり支援学校(秋田市南ケ丘)が「病弱教育サポートセンターきらり」を開設して間もなく半年になる。学習の支援はもちろん、心理面や復学の支援に至るまできめ細やかにサポート。子どもと保護者、在籍校、病院などとの連絡調整や相談業務をワンストップで実施し、子どもへの支援が円滑に進むよう取り組んでいる。

 「病弱教育」の対象となるのは、慢性疾患や身体虚弱、心身症などのため、医療や生活規制を継続しなければならない子どもたち。県内には現在、病弱教育に特化した支援学校はなく、学ぶ場は、小中高校の通常学級や病弱・身体虚弱特別支援学級、地域の特別支援学校、院内学級―などまちまちだ。

 子どもたちの突然の病気や入院に、戸惑う保護者や教員は少なくない。同校によると、療養生活と学習の両立について「どこに相談すればいいか分からない」と保護者が悩むケースがあるほか、学校側にとっても教員の時間確保や感染症対策といった課題が山積している。

 そうした中、病気と向き合う子どもたちに学習の遅れや空白を生じさせまいと、同校は2016年以降、独自に「病弱教育アドバイザー」と「病弱教育コーディネーター」を1人ずつ配置。全県の幼児から小中高生を対象に、在籍する園や学校の垣根を越えて学習支援を行ってきた。

 4月からは、さらなる機能強化と周知を図るため「サポートセンター」と銘打ち、センターの直通電話を設けた。

 支援に当たるのは、同校教員の進藤忠雄・病弱教育アドバイザー(65)と佐藤忠浩・病弱教育コーディネーター(44)に、同校教員3人が加わった計5人だ。

 在籍校が用意した学習課題に一緒に取り組むほか、治療や療養生活への不安解消、在籍校や病院との連絡調整など、ニーズに応じて柔軟に対応する。

 そのほか力を入れているのが復学支援だ。同校はセンター開設に当たり、タブレット端末や携帯用のWi−Fi(ワイファイ)ルーターなどを用意。これで入院先と学校をつなぎ、子どもたちはオンラインで学校行事に「参加」できる。療養中も同級生らと交流することで安心感が得られ、スムーズな復学が期待できるという。

 秋田大大学院教育学研究科の藤井慶博教授(特別支援教育)や同大学生らでつくる「病児学習支援ボランティア人材バンク」とも連携するなど、サポート態勢は手厚い。

 同センターによると、近年は医療の進歩により入院が短期化傾向にある一方、断続的に入退院を繰り返すケースも多いという。「多様なニーズを吸い上げ、いかにフットワーク軽く、スピード感を持って対応できるかが重要」と進藤アドバイザーは語る。

 センター開設以降、支援や相談への対応件数は計約40件に上る。進藤アドバイザーは「要請があれば、県内どこへでも駆け付ける」と話す。