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児童福祉

【長崎県】

不登校減少へ「訪問型」強化 小中学校を巡回 佐世保・青少年教育センター

長崎新聞 2021年1月25日(月)
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あすなろ教室で生徒(左)の話に耳を傾ける職員=佐世保市青少年教育センター

 不登校などの相談に対応する佐世保市の青少年教育センター(平瀬町)が、訪問型の支援に力を入れている。市内の不登校出現率は上昇傾向にあり、県内平均を上回る状況。このため、不登校に悩む子どもや保護者をより多く支援につなげるのが狙いだ。
 8日午前。同センター内の学校適応指導教室「あすなろ教室」で、中学生数人が学校の課題や自ら選んだ教材に取り組んでいた。それぞれ不登校を経験し、同教室に通い始めた生徒たちだ。ここでは隣同士で時折笑い合ったり、教室の担任と話したり。穏やかな時間が流れていた。
 センターは1964年に開設。補導活動や有害図書の回収などとともに、不登校の児童・生徒の指導や教育相談を業務とする。「あすなろ教室」は、不安感や人間関係などさまざまな理由で登校できない小中学生が対象。昨年12月時点で小学生24人、中学生60人が通級し、一人一人のペースで自主学習や体験活動などに取り組んでいる。

■情報収集

 同市で不登校の児童・生徒の割合は年々高まっている。2019年度は小学校で0.8%、中学校で4.9%。特に中学校では県、国両方の平均を超え、市の教育課題の一つだ。同センターが訪問型支援を通じ、悩みを抱える家庭の情報収集に積極的に動くのには、こうした事情がある。
 センターは昨年度、スクールソーシャルワーカー(SSW)の学校巡回を開始。月に2回ほど、全ての市立小中学校などを訪れ、学校と情報交換したり、子どもや保護者と面談したりして学校生活で困り事がないかリサーチしている。
 SSWが対応した児童・生徒数は18年度は216人だったが、昨年度は600人に急増。同センターの近藤隆生所長は「学校側がセンターにSSWの派遣を要請するときには、問題の深刻度が進んでいることも多い。どの機関ともつながらず、置き去りになる子どもを救うのが狙い」とする。

■安心安全

 あすなろ教室も昨年秋、「サテライトあすなろ教室」をスタート。職員が各地区の公民館に出向き、子どもたちに対応している。新年度にはオンライン上で担任と子どもたちが触れ合える「ネットあすなろ教室」も導入予定。どちらも、毎日通学ができない児童・生徒への配慮だが「社会的な自立のためには対面でのコミュニケーションが必要。あくまでも直接会えるまでの手段」という。
 同教室には、発達障害などで個別対応が必要な子もいて、そのためのスペース確保などが課題となっている。近藤所長は「急に状況を変えることは難しいが、取り組みを継続し、子どもが安心安全だと思える場所をつくっていきたい」と話している。