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【奈良県】

施設入居高齢者 収入と生きがいを - 就労事業で介護費用軽減 奈良の事業者 合同会社を設立

奈良新聞 2019年5月13日(月)
あをに工房の就労トライアルでハーブの袋詰め作業を行う入居者ら=奈良市宝来のリールデイサービス宝来(あをに工房提供)
あをに工房の就労トライアルでハーブの袋詰め作業を行う入居者ら=奈良市宝来のリールデイサービス宝来(あをに工房提供)

 介護費用の負担軽減を目指そうと奈良市の介護・保育事業リールステージ(中山実男社長)は、要介護高齢者らが就労事業を行うための合同会社「あをに工房」(中山久雄代表社員)をこのほど設立。超高齢化社会による介護の課題解決に取り組んでいる。

 リールステージの介護施設に入居する高齢者に対し、同工房が外部事業者から請け負った作業を生産委託し、その仕事を通して得られた報酬で、入居者自身の介護費用の一部を補う。全国的にも珍しいシステムという。概ね要支援1〜要介護2程度までは就労可能な高齢者と考え、それぞれの介護度合や特技などを考慮して、作業を委託する。現時点では、袋詰め、パッチワークなどを予定している。

 取り組みを立ち上げた同工房代表社員でリールステージの中山久雄専務は「貯蓄のある高齢者であっても、介護が長期化すれば、いつかは貯蓄の底をつく。その貯蓄の減少を少しでもゆるやかにでき、なおかつ生きがいを持って生活してもらえれば」と話す。

 奈良市のリールデイサービス宝来で行われた、就労トライアルでは、入居者が業者から委託されたハーブの袋詰めに挑戦。ひのきのおが粉を計量し、不織布の袋に入れてひだをつくりタコ糸で結ぶという作業を行った。参加した高齢者は、若いころから手芸や編み物をしていた経験から、手際よく作業を行っていた。

 賃金の公平性や仕事の割り当て方など今後の課題もあるが、中山専務は「就労する入居者とその家族に対し、事業内容について十分に説明し、透明性を持たせることが必要」とし「介護を受けている高齢者が生きがいを持ち、家族の負担が少しでも軽減できるよう、この取り組みをモデルケースにしたい」と話した。