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【愛媛県】

「抱え上げない介護」に光 伊方の特養ホーム、専用用具で介護者楽に

愛媛新聞 2020年2月25日(火)
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福祉用具を使った介護方法を高校生に伝える菊池さん(左)。「介護者にも優しい現場を知ってほしい」と力を込める

 高齢者の体を支え、持ち上げる作業が負担になる介護現場。3K(汚い、きつい、危険)職場のイメージを払拭(ふっしょく)しようと、伊方町湊浦の特別養護老人ホーム「つわぶき荘」は、専用の用具を使った「ノーリフティングケア(抱え上げない介護)」に力を入れている。近隣の小中学校や高校で「介護者と高齢者の双方に優しい現場」を伝える特別授業も開いており、将来の人材確保につなげようと懸命だ。
 「すごい!」「こんなに簡単にできるんだ」。2月上旬、八幡浜市保内町川之石の川之石高校で、つわぶき荘が開いた特別授業に参加した生徒たちは驚きの声を上げた。福祉用具のボードやリフトの使い方次第で、予想以上に軽い力で介助できることを体感。福祉関係の仕事に就きたいという2年の女生徒(16)は「用具を活用することでスムーズに移乗介助することができて感動した。もっと多くの施設で取り入れてほしい」と目を輝かせる。
 ノーリフティングケアは人の手で持ち上げない・抱え上げない・引きずらないが原則。日本ノーリフト協会によると、高齢者の状態に合わせた福祉機器を活用し介護者の腰痛予防につながる。県内でも複数の事業所が導入している。
 つわぶき荘では職員の高年齢化が進み、約4割が50歳以上。腰痛などで移乗介助ができず離職したり、フォローする職員の負担が大きく不満につながったりするケースが相次いでいた。
 新たな人材確保も困難で、ここ数年求人への問い合わせはゼロ。介護主任の菊池三生さん(40)は「高年齢の職員でも働きやすい環境をつくることが、若い人材の確保にもつながる」と奮起し、2018年からノーリフティングケアの導入に踏み切った。