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【山梨県】

精神障害者の「一日」支援 南ア市にグループホーム

山梨日日新聞 2020年5月1日(金)
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職員(左)が見守る中、塗り絵をする入所者=南アルプス市有野

 24時間体制で精神障害者に特化して日常生活を支援するグループホームが山梨県内で初めて、南アルプス市内に開設された。当事者の高齢化が進み、介護が必要なケースが増えていることが背景にある。精神障害者は医療上は必要性が低いのに長期入院する「社会的入院」が問題となっているが、きめ細かく生活を見守る地域の受け皿は十分とはいえない。運営する社会福祉法人は「地域での暮らしを希望する人が安心して生活できる環境を整えたい」としている。〈杉原みずき〉

 精神障害者の就労や生活支援などを行う社会福祉法人「蒼溪会」(有野哲章理事長)が、障害者総合支援法に基づく日中サービス支援型共同生活援助として「ライフスタイル ボヌール」(同市有野)を4月に開設した。

◎高齢化に対応
 平屋建てで定員20人。それぞれの個室のほか、浴室や洗濯室、食堂などがある。日中4人、夜間も2人の職員が常駐し、24時間365日体制で相談に対応するほか、食事の介助や家事、入浴、排せつなど日常生活に必要な支援を提供する。日中支援型のグループホームは、全国的にも数が少ないという。
 これまでに同法人の既存の施設から移った人を含め8人が入所。職員のサポートを受けながら、グループや個別で体操や創作活動などをして過ごしている。
 同法人によると、精神障害者のグループホームは、入所者は日中、就労支援事業所やデイケアへ通って過ごすのが一般的で、夜間は職員もいない。しかし、入所者の高齢化により外部への通所が困難になり、夜間の見守りが不可欠なケースも増えていた。
 県内で精神病床に長期入院する患者(1年以上)は1109人(2019年6月30日現在)で、このうち約6割が65歳以上。今後地域での生活を望む患者についても「高齢化への対応が求められる」(同法人)。精神障害の特性から、一般的な介護施設ではなじみにくい実情もあるという。

◎「自立」へ練習
 また、「ボヌール」では、ショートステイ用の居室も4部屋設けている。退院後や親亡き後を見据えた1人暮らしの練習などとしての利用を想定し、調理スペースやトイレ、シャワーブースを完備している。職員の支援を受けながら1人で過ごせるほか、共有スペースも利用できる。
 精神障害者をめぐっては、身近な親族の不在や経済的な事情などから入院が長期化しているケースが多いとされる。県のやまなし障害児・障害者プラン(18〜20年度)では、長期入院患者について20年度までに、14年度(1252人)に比べ229人を地域での生活に移行させる計画を盛り込んでいる。
 有野理事長は「十分なサポートがあれば、地域で暮らしたいという希望をかなえられる可能性が広がる。入所者の相談ややりたいことに丁寧に対応していきたい」と話している。