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【青森県】

成年後見人 マッチングで活動円滑

東奥日報 2020年6月8日(月)
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80代の認知症女性を支援する後見人候補について検討したマッチング会議=5月28日、弘前市役所

 成年後見制度の支援対象者と、後見人になり得る人とをマッチングする取り組みを、弘前圏域権利擁護支援センター(青森県弘前市)が5月から始めた。同センターによると、弁護士や社会福祉士などの専門職団体が定期的に集まり、要支援者に適した後見人を調整する試みは県内初という。関係者は「マッチングは、後見人選任後の円滑な後見活動につながる。結果的に要支援者の人権を守ることになる」と期待する。

 同センターは、弘前市を中心とした近隣8市町村が連携して今年4月に発足。成年後見に関する相談受け付け、情報提供のほか、後見人候補の調整を活動の柱とした。

 成年後見制度では、親族や市町村長らが利用を申し立て、家庭裁判所がそれぞれのケースを見て後見人を決めるが、事前に関係者が後見人候補を調整して、裁判所に推薦すれば、ミスマッチを防止できる。

 5月28日、弘前市役所で開いたマッチング会議(受任調整会議)には、県弁護士会、県司法書士会、県行政書士会、県社会福祉士会、弘前市社会福祉協議会、一般社団法人・権利擁護あおい森ねっとの担当者が参加。黒石市、大鰐町、西目屋村など近隣市町村の福祉担当者もオブザーバーとして出席した。

 身寄りのない重度の認知症の80代女性(弘前市)を支援するため、市長申し立てで後見制度を利用することを協議。女性の家族関係、生活状況、意思疎通能力などを踏まえ、参加した専門職団体が後見人候補となる方向で調整した。市町村担当者からは「制度利用へ向け今後、会議にあげたい案件がある」といった意見があった。

 今後、月1回ペースで調整会議を開催し、虐待事案など緊急を要するケースは随時、メールや文書のやりとりで調整する。

 センター相談員の藤田博美相談員は「調整会議は、要支援者と後見人とのミスマッチを防ぐことを目的としている。要支援者のニーズに合った後見活動は、結果的にその人の人権を守ることになる」と話し、権利擁護あおい森ねっとの三上富士子代表は「申し立て以前の段階から要支援者とかかわってきた福祉・医療・地域の関係者が調整すると、その人のニーズに合った後見制度の利用につながる。市民後見人や法人後見など、受任者を幅広く検討することができる」と語った。

成年後見制度 認知症や知的、精神障害などで判断能力が不十分な人を弁護士、司法書士、福祉関係者、親族らが支援する制度。本人に代わり、預貯金の管理や福祉の利用手続きを行う。日常生活の見守りも担う。本人や家族らが利用を申し立て家庭裁判所が後見人らを選任する。