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【群馬県】

高齢者の出歩き見守るロボット FASと群大大学院が開発

上毛新聞 2018年10月23日(火)
見守りロボット「みらいちゃん」を開発した(右から)中沢准教授、矢菅さんと施設関係者
見守りロボット「みらいちゃん」を開発した(右から)中沢准教授、矢菅さんと施設関係者

 建設業のフューチャーアンドスペース(FAS、群馬県桐生市)と群馬大大学院理工学府が介護施設用の見守りロボットを共同開発した。深夜に出歩く高齢者や障害者を見つけると近づいて声を掛け、職員が駆け付けるまでの時間を稼ぐ。現在は施設で夜間に試験運用しており、人手不足が深刻な介護現場の負担軽減が期待される。

 ロボットは「みらいちゃん」と名付けた。高さ1.5メートル、重さは12キロで、底面に三つの車輪を取り付け全方向に動く。鼻の部分に設置された赤外線カメラで人を感知すると、施設管理者に知らせるとともに、対象者にゆっくりとした速度で近づく。「どうしましたか」「職員が来ますので、お待ちください」などと話し掛け、職員が駆け付けるまで呼び止める仕組みだ。

 外見のデザインはゆるキャラ風に親しみやすくし、縫いぐるみのような材質で全身を覆った。試験運用している施設の利用者が聞き慣れている職員の声を複数録音した。背中に取り付けたタッチパネルの操作で移動速度や距離を調整でき、音声パターンも増やせるという。

 介護現場の負担を減らそうと昨年4月、FASが群大と開発に乗り出し、今年9月に試作品が完成した。現在はFASのグループ会社、みらい(桐生市)が運営する住宅型有料老人ホームで試験運用している。

 職員が1人で勤務することの多い夜間の活用を想定している。みらいの関口絵里奈統括施設長は「1人勤務は不安が多いが、ロボットがいることで気が楽になる」と、職員の負担軽減につながるとみている。

 ロボット制御のソフトウエアを開発した同大の中沢信明准教授は「大学の研究が現場で生かされるのはうれしい。現場の声が今後の参考になる」と期待する。動力部分の開発に携わったFASの矢菅吉彦さんは「介護現場の労働環境改善につながってほしい」と話す。

 ロボットは1体91万8000円で販売する予定。試験運用の結果を検証し調整した上で年内の販売開始を目指す。介護施設のほか、児童施設や学校、大型商業モールなどへの導入も見込んでおり、同社は「大量生産して、低価格にしたい」としている。