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高齢者福祉

【愛媛県】

認知症高齢者 捜索にICT 西条で住民ら訓練 スマホ活用 応対手順学ぶ

愛媛新聞 2019年11月12日(火)
高齢者の見守り活動に使う小型タグとスマートフォンアプリ
高齢者の見守り活動に使う小型タグとスマートフォンアプリ

 情報通信技術(ICT)を生かし、行き先の分からなくなった認知症高齢者を捜し出す訓練がこのほど、西条市丹原町池田の丹原公民館周辺であった。住民ら約70人が参加。発信器を搭載した小型タグとスマートフォンアプリを使った捜索の手順を確認し、お年寄りへの応対を学んだ。
 市は認知症高齢者の外出を見守ろうと、2017年7月にシステムを導入し、希望者8人に小型タグを貸し出している。タグを付けた人が、固定受信機や専用アプリを起動したスマホの半径30メートル以内に近付くと、家族と捜索本部だけに位置情報が通知される仕組み。タグは直径約4センチのボタン型で服やかばんに取り付けられる。
 10月27日の訓練には消防団員や高校生らが参加し、タグを付けた高齢者役の市職員2人を捜して回った。開始7分後、捜索本部に不明者の位置情報が入り、無線で連絡を受けた捜索隊が急行。「どちらに行かれますか」などと優しく声を掛け、名前と住所を確認して保護した。2人目も約30分で見つけた。
 市消防本部総務課の菅謙吾消防司令は「捜索範囲が絞れると、早期発見につながる。平日の昼間など、捜索の人手確保が難しい場面でも有効だ」と手応えを感じている。
 個人情報への配慮から、捜す側のスマホ利用者には位置情報が把握できない仕組みになっている。10月19日にあった石根地区の訓練では、雨の中で約50人が地域を歩き回ったが、捜索本部にスマホからの情報が入らず、2人の高齢者役のうち1人は50分かけても見つけ出せなかった。
 「捜索に直接関わらなくても見守り活動に参加できる」と利点を感じた小松高校の男子生徒(16)は「一人でも多くの人がアプリを起動すれば、その分早く見つかる可能性が高くなるだろう。周りに広めていきたい」と話していた。