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高齢者福祉

【宮崎県】

増える独居 誰が気付く 地域ぐるみで支援へ

宮崎日日新聞 2017年2月23日(木)
1人暮らしの女性と会話する住吉ボランティアセンター「つなぎ」の相談員(手前)。話し相手を求める高齢者の依頼が増えている=宮崎市島之内
1人暮らしの女性と会話する住吉ボランティアセンター「つなぎ」の相談員(手前)。話し相手を求める高齢者の依頼が増えている=宮崎市島之内
 国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、団塊世代が全て75歳を迎える2025年、県内の高齢世帯の割合は45%に迫り、1人暮らしの世帯は15%を超える。
 「支援の手から漏れる人が増えるのではないか」。都城市西岳地区などを担当する地域包括支援センターの社会福祉士、高橋正彦さんは危惧する。
 同市の独居高齢者世帯は全体の2割に上り、西岳地区のように都市部を外れると割合はさらに高まる。孤立死や認知症高齢者の失火。そんなケースが間近で起こってきたからこそ、懸念は膨らむ。
 どう手を差し伸べるか−。
 同市は判断能力が低下した高齢者に代わり、親族などが財産管理や契約を担う成年後見制度の普及に力を入れる。11日には4地域で相談会を開催。認知症を患い1人暮らしの姉を支える80代の女性、夫を亡くし子どももいない79歳の女性…。介護や財産管理の不安が口々に語られた。
 身寄りがなければ市区町村長の申し立てで後見人を立てられる。同市でも15年度、65歳以上の高齢者12人で市長申し立てを実施。親族がいても関わりを拒否されたため踏み切ったケースもある。
 ただ、行政とつながりが薄く、問題が表面化しない高齢者もいる。高橋さんは「誰が変化に気付くか。地域全体の課題でもある」と訴える。
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 「男ばかり5人を育ててきたのよ」「足が悪いから、あまり外出もできない」−。宮崎市島之内にある住宅の一室。1人暮らしの女性(92)と住吉ボランティアセンター「つなぎ」の相談員が約1時間、会話を弾ませた。
 同センターは“2025年問題”を見据え、地域ぐるみで高齢者を支えようと昨年10月にオープン。ニーズに応じボランティアを派遣するが「話し相手」を求める声がほとんどという。
 中心メンバー9人の大半が60、70代。小中学生や介護施設の職員など約60人も名を連ねる。センター長の飯干るみ子さん(68)は「1人になっても住み慣れた地域で過ごせる環境をつくるのは、将来の自分たちのためでもある。地域で高齢者を支える仕組みをつくり、継続させたい」と見据える。