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高齢者福祉

【福岡県】

屋台で健康相談 駄菓子配り、高齢者と会話の輪 北九州の医療関係者ら

西日本新聞 2019年10月17日(木)
地域で屋台を引き、お年寄りの健康相談に応じる活動をスタートさせた権頭さん(左から4人目)ら=北九州市八幡西区
地域で屋台を引き、お年寄りの健康相談に応じる活動をスタートさせた権頭さん(左から4人目)ら=北九州市八幡西区

 医療や福祉の専門家が街頭で駄菓子などを積んだ屋台を引き、お年寄りに声を掛けて健康相談に応じる活動が、北九州市八幡西区で始まった。認知症など何らかの事情で公的な支援から取り残された高齢者をすくい上げ、介護保険などの利用につなげるのが狙い。子どもにも声を掛け、虐待などの問題にも気を配る。九州初の取り組みという。

 「車で移動する際、1人で押し車を使って、ゆっくりと歩くお年寄りを見掛けて気になっていた」

 同区の社会福祉法人「もやい聖友会」の権頭喜美恵理事長(55)は、相談屋台を始めようと思った理由をこう語る。活動は権頭さんのほか、同市戸畑区の理学療法士伊東浩樹さん(31)、福岡県岡垣町のNPO法人代表の看護師松丸実奈さん(41)が中心となり、同市の勤務医らも加勢する。

 屋台の作製は、権頭さんの知人で、八幡西区で住宅建材業を営む行正祐太郎さん(34)が趣旨に賛同し、無償で買って出た。

 相談屋台のモデルは、東京大講師で医師の孫大輔さん(43)が発案した「モバイル屋台de健康カフェ」。「会話の中で自然と健康のことも話題になれば」と2016年、他の医師や看護師らと都内で約2週間実施。コーヒーなどを振る舞い、約200人と触れ合った。「病院嫌いの人にもアプローチできた」といい、その後も年3、4回続けているという。

 八幡西区での活動は第3土曜の午後1時半から2時間程度。同区の洞南地区(人口約2万人)を対象エリアとし、専門家数人で屋台を引きながら練り歩く。駄菓子や缶ジュースなどを無料で振る舞い、会話のきっかけにする。

 活動初日の9月21日は、出会ったお年寄りとあいさつを交わす程度だったが、今後じっくり浸透させていく考えだ。権頭さんは「医療や介護を利用すべきだが、認知症などで相談窓口に連絡できない例がある。そうした人たちの役に立てれば」と話している。