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障害者福祉

【埼玉県】

障害者ダンス「ハンドルズ」、21日芸術劇場で公演

埼玉新聞 2017年10月16日(月)
公演に向け稽古する「ハンドルズ」のメンバーと近藤良平さん(左)=4日、さいたま市
公演に向け稽古する「ハンドルズ」のメンバーと近藤良平さん(左)=4日、さいたま市

 ダンスを見るうちに”障害”がだんだん個性に見えてくる―。県内在住の障害者でつくるダンスチーム「ハンドルズ」が21日、さいたま市中央区の彩の国さいたま芸術劇場小ホールで、ダンス公演「どうするの あしたのよていが きになるの」を行う。人気振付家の近藤良平さん(49)が構成・振り付けを担当する公演は今回で6回目。来年3月には金沢市で初の県外公演も予定している。メンバーは「感動と笑いを届けたい」と熱の入った稽古を続けている。

 「早口言葉を言ってみようか」「ゆっくり蹴って」。10月上旬、同劇場の練習室に近藤さんの声が響く。車いすに乗った男性が次々とメンバーの尻を蹴る場面で、ダウン症の堀口旬一朗さん(34)=秩父市=は大げさに前のめりで転び、爆笑が起こった。メンバーは互いにあだ名で呼び合い、稽古は笑いが絶えない。

 公演は県が主催。「全国障害者芸術・文化祭埼玉大会」(2011年)に向け、障害者の文化活動の輪を広げようと、09年からダンス公演を実施している。メンバーは精神や身体、知的障害を持つ20〜50代の19人。チーム名のハンドルズは、近藤さんが主宰する人気ダンス集団「コンドルズ」にあやかったのと、ハンディキャップ、ハンドリング(車いすの操作)に由来している。

 公演はダンスだけでなく歌やコントも披露。近藤さんは稽古で「自分の得意なことを教えて」と自由に動いてもらい、その中で個性と面白さがマッチしたものをプログラムに取り入れる。例えばせりふがうまく言えないメンバーにあえて早口言葉を言わせることで笑いを生み出す。近藤さんは「彼らは面白いことをやろうとする直感的な能力がある。個性をうまく引き出すのが僕の役割」と話す。

 統合失調症を患う工藤彰さん(50)=川越市=は昨年からハンドルズに参加。「自分で思いついたアドリブや動きをするのが本当に楽しい。ダンスを通じて他のメンバーとも深いコミュニケーションが取れる」と笑顔。ダウン症の川上正太郎さん(23)=秩父市=はコミカルな動きとしなやかなダンスを得意としている。母親の五月さん(56)は「大きい声を出すと嫌がられたりするが、近藤さんはそれも個性として認めてくれる。ダンスを通じて息子は自信をつけ、本当に明るくなった。他のメンバーもそうだと思います」と意義を語る。

 近藤さんは「『障害者は真面目』『動けない』と決めつけていたことが打ち砕かれると思う。間違いなく面白いので見に来て」と呼び掛けている。

 公演は21日午後3時から。全席指定で2千円。問い合わせは、チケットセンター(電話0570・064・939)へ。