
子どもにカレーを振る舞う大人の善意が込められた「絆チケット」=富士市の就労継続支援A、B型事業所「アクティブ」
富士市高島町でパンの製造販売やカフェを運営する就労継続支援A、B型事業所「アクティブ」は2021年12月、子どもにカレーライスを無償提供できる事業「絆カレー」を始めた。大人が見知らぬ子どもにごちそうをする仕組みで、多くの善意が子どもの空腹を満たしている。
新たに導入した「絆チケット」はカレー(通常300円)を1枚200円で販売し、購入者が店内の白板に券を掲示する。来店した中学生以下の子どもが、券を店員に渡すとカレーを無料で食べられる。
アクティブの運営会社「ウイン」が、障害者と子どもらの交流の場を目指して企画した。アクティブを利用する障害者が調理や配膳を担うため、障害者就労の啓発につながることも期待する。
取り組みは、誰でも食事ができる「子ども食堂」の役割を果たす。同社の平野節子専務は「実物の券を使うため、子どもが感謝の対象を実感しやすい。大人も寄付の成果が実感できる」と話す。
12月下旬、店内には80枚ほどの絆チケットが掲示されていた。脇には「たのしく食べてね」などの言葉が添えてあった。券を利用した須津小2年の森裕生君(8)は「給食が少なかったからあと5杯食べられる」とカレーをかき込んだ。
同社企画担当の佐々木勘太さん(38)は「子どもを笑顔にしたいという願いが一枚一枚の券に込められている。期待に応え、明るい雰囲気をつくりたい」と話した。
営業時間は午前11時から午後4時ごろまで。ルーがなくなり次第終了する。日曜定休。