
視覚障害者への支援を円滑にするトートバッグを寄贈した県眼科医会の原祐子会長(右)=12日午後、県庁
【要支援分かりやすいデザインに】
視覚障害者の災害時の避難や支援を円滑にしようと愛媛県眼科医会(原祐子会長)は12日、独自に作成した支援用トートバッグ300部を県に寄贈した。シンボルマークを大きくデザインし周囲から支援や配慮を要することを分かりやすくする試みで、同会と県は効果的な活用に向け県民や自治体への周知に取り組む。
バッグは目立ちやすいオレンジ色で、中央に青のシンボルマークと「ご協力お願いします」の文字を配した。縦42センチ、横37センチのナイロン製で、避難所の居住スペースに掲げることも想定している。
同会によると、視覚障害者は災害時に安全に行動することが難しく、支援物資の受け取りや情報収集に懸念がある一方、周囲からは障害に気づかれにくい課題がある。避難所スタッフらによる見守り強化にもつなげたいとする。
県庁での贈呈式で原会長は「バッグを見かけた際には『お困りのことはないですか』の一言が力強い助けになる」と期待。八矢拓副知事は「避難をためらう気持ちを解消することにもつながれば」と謝意を述べた。
県は松山盲学校や県視聴覚福祉センター、県視覚障害者協会などにバッグを配る。県眼科医会も希望する市町や団体、個人に配布する予定。問い合わせは同会=電話089(943)7582。