
専門スタッフらが子どもたちの療育に当たる児童通所施設「みらいクリエイトKITTO」=7月28日、福井県越前市上太田町
発達障害などで困っている子どもを対象にした児童通所施設「みらいクリエイトKITTO」が、福井県越前市上太田町に開所した。リハビリサービスを専門とする作業療法士や言語聴覚士のスタッフによる療育が特徴で、遊びを通じて社会性を育む。代表の米津さんは「子どもが生きていくためのスキルを、地域内で当たり前に身に付けられる社会に」と力を込める。
作業療法士の米津さんが6月、元カフェのテナントを借りて開所した。未就学児対象の児童発達支援、小学生から高校生までを受け入れる放課後等デイサービスとして、個別・集団療育に取り組む。
決まったカリキュラムは設けず、子ども一人一人の特性に合わせてプログラムを用意するのがモットー。「子どもの興味に沿って、その場で能力を引き出すことを大事にしたい」と米津さん。平均台やトランポリン、カードゲームなどの遊具を備え、スタッフが付き添う遊びの中で、ルールを守る感覚やコミュニケーションの力を養う。
保育園や学校に出向く保育所等訪問支援では、専門スタッフが医学的に分析した子どもの特性を伝え、家庭との橋渡し役として保育・教育現場での対応を支えている。
開所から約2カ月で、利用登録は越前市や鯖江市の約30人に増えた。地元の青果店から差し入れを受けた野菜の調理、パン店見学などの活動も取り入れ、米津さんは「生活に何らかの支障がある子どもたちを、生活拠点の中で支援できる施設を目指したい」としている。