
日本語のゲームをするトウさん(奧)
宿題する児童も 継続へ費用確保が課題
新型コロナウイルスの影響で生活に不安を抱える人が無料で利用できる年内限定の「みぶまちこころのホットカフェ」が、壬生町至宝1丁目のNPO法人みぶまち活性化21事務所にオープンして3カ月がたった。通りがかりでカフェを知った人や外国人就労者などが訪れるようになり、2月からは食料支援も開始。「地域の憩いの場」として利用者が増える中、同法人は来年以降も継続するためにどのように運営費を確保するか模索し始めている。
カフェは「気軽に集まれる近所の駄菓子屋のような場所にしたい」と、毎月第1、第3日曜日の午前10時〜正午、午後6〜8時に開設。町主任児童委員らを相談員に置き、町社会福祉協議会などの支援につなぐこともできる。
午前中は宿題をする小学生など10人、夜は3人ほどが訪れている。勉強を教える主任児童委員の生井智子(なまいともこ)さん(58)は「勉強する習慣がない家庭では、漢字の読み書きが難しい子もいる。お母さんにも来てもらって、生活スタイルを変えていけたら」と呼び掛けている。
2月には「昨年仕事で来日したが、相談できる場があまりない」というミャンマー出身で町在住のサンミョ・トウさん(30)が訪れた。子どもたちと日本語のゲームをして遊び、コメなどの食料支援も受けた。「たまたま見掛けて通うようになった。皆さんとても優しい」と、いつも折り紙を楽しみに訪れる近所の男性(46)もいる。
この3カ月間、社協などへの支援につなげたことはまだないが、同法人事務局の玉田英二(たまだえいじ)さん(63)は「少しずつ打ち解けて相談が増えてくれば」と手応えを口にし、「来年以降も続けたい」と意気込む。
課題は運営費。カフェの運営には毎月、相談員の交通費やお茶代などで約3万円がかかる。現在は、中央共同募金会の助成金約49万円を諸経費に、県共同募金会の助成金約10万円を支援する食料代に充てているが、いずれの助成金も期限は年内。玉田さんは「来年以降の運営費はスポンサー企業を見つけたり、寄付を募ったりするなどの方法も検討したい」としている。