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【熊本県】

「福祉子ども避難所」拡大を 障害児、安心できる環境に 九州ルーテル学院大・栗原和弘教授が講演

熊本日日新聞 2019年12月13日(金)
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「全国手をつなぐ育成会連合会」全国大会の分科会で障害児と家族が安心して避難できる環境づくりを提言した九州ルーテル学院大の栗原和弘教授=熊本市中央区

 知的障害者と家族らでつくる「全国手をつなぐ育成会連合会」の第6回全国大会が11月23、24の両日、熊本市中央区の熊本城ホールで開かれた。分科会に登壇した九州ルーテル学院大の栗原和弘教授(61)は、特別支援学校を活用した福祉子ども避難所について講演した。

 栗原教授は昨年度まで熊本支援学校長を務めており、熊本地震の際、保護者から「子どもが避難所になじめなかった」「子どもと一緒に炊き出しの列に並べなかった」といった意見が寄せられたという。県内の特別支援学校19校の保護者1874人にアンケートを実施したところ、避難所の滞在が難しく、在宅や車中泊を続けたり、福祉避難所の情報を得られなかったりした家族もいた。

 栗原教授によると、熊本地震の際、熊本支援学校には多い時で200人が避難。「設備が整い、障害に応じた対応ができる職員もいる学校を緊急時に活用したい」と考え、障害児と家族のニーズに特化した福祉子ども避難所を特別支援学校に設置することを県と熊本市に提案した。

 福祉避難所は、高齢者や障害者ら必要と判定された人が移る二次的な避難先。栗原教授は福祉子ども避難所についても、受け入れる対象を特別支援学校の生徒と家族、未就学の障害児と家族に限った。

 学校での避難所開設訓練などを経て、今年1月、同市と市内の特別支援学校など6校で協定を締結。6校には簡易トイレや発電機などが設置され、「障害のある子どもと家族が安心して避難できる」場所となった。

 特別支援学校を避難所として活用する例は全国でまだ少ないとして、「熊本を先例に各自治体へ働き掛け、全国に福祉子ども避難所の設置が広まってほしい」と呼び掛けた。

 カードゲーム形式で災害対応を考える「クロスロード」や、熊本地震時の同市育成会の取り組みなども報告された。(深川杏樹)