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医療ケア児も楽しく外出できる ママ開発のたん吸引器バッグ人気

たん吸引器の使いやすさとデザインにこだわって作られたバッグと、開発者の奥山さん(木津川市加茂町)
先天性の難病で、日常生活で全ての介助が必要な子を育てている京都府木津川市の母親が、たん吸引器を持ち運ぶ専用バッグを開発した。吸引動作がしやすく、医療器具用に見えないデザインにもこだわった。家に閉じこもりがちだった自らの経験を振り返り、同じ境遇の保護者に「子どもと一緒にお出掛けを楽しんでほしい」と願っている。
同市加茂町の奥山梨衣さん(39)。長男の哲平君(12)は3歳の時、成長・発達障害などの症状が出る指定難病の「CFC症候群」と診断された。6歳の誕生日前日に肺炎になり、気管切開を余儀なくされた。たん吸引が欠かせなくなり、毎日10〜15分に1回、多い日では200回ほど家族らが吸引を行っている。
吸引器は重さが2キロを超え、関連用具も含めると外出時の重量は5キロになる。吸引器は市販の専用バッグに入れると使いにくく、バッグのデザインも二の次。専用でないバッグも試したが、重さに耐えられなかった。アパレル関連の仕事に携わった経験もあり、4年ほど前からバッグ開発を始めた。
たんが詰まると窒息する恐れがあり、迅速な対応が必要なことから、吸引器の入れ口はふたをなくした。吸引用カテーテルや、カテーテルの管を洗浄する滅菌水などを清潔に保つため、ふた付きスペースを設けた。消毒用アルコール綿を捨てるゴミ入れやハンドソープを入れるポケットもある。バッグに入れたまま電源につないだり、バッテリー交換したりできるよう開閉口も設けた。父親や祖父母が持ってもなじむよう、デニム生地や北欧風の花柄など5種類そろえた。
2月からインターネットで販売。会員制交流サイト(SNS)で告知すると、3カ月ほどで50個が完売した。横長の吸引器用のバッグの販売も始めた。
哲平君が小さい頃は、同世代の子と比べては落ち込み、孤独を感じたという奥山さん。同じ境遇の保護者らと出会い、支えられたことに感謝し、「一緒に頑張りましょうと応援したい。少しでも気持ちを明るくして子どもとのお出掛けを楽しんでほしい」と話す。
バッグは1万3824円から。奥山さんのブランド「SKIP&CLAP」のホームページで販売。
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