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【長崎県】

精神障害者の家族会「ゆみはり会」 つながり紡いで30年 佐世保

長崎新聞 2019年1月7日(月)
「水曜の会」でおしゃべりを弾ませながら手芸を楽しむ会員ら=佐世保市、ボランティアセンター別館
「水曜の会」でおしゃべりを弾ませながら手芸を楽しむ会員ら=佐世保市、ボランティアセンター別館

 統合失調症などの当事者家族でつくる「ゆみはり会(佐世保地区精神障がい者家族会)」は今年、結成から30年を迎える。会員の高齢化に直面しながらも、積極的に勉強会やデイケアを企画。当事者と家族は思いを共有し、支え合っている。

 「冬物のバッグを作りたい」「ここは縫わなくていいの?」。12月19日午後のボランティアセンター別館(花園町)。バザーで販売する布小物を囲み、女性が会話を弾ませていた。当事者や家族が毎週集まり手芸や工作に取り組むデイケア「水曜の会」。おしゃべりは、病院の情報や顔を見せていない会員への気遣いなど、さまざまな話題に及んだ。

 会ができたのは1989年11月27日。当時、統合失調症は「精神分裂病」と呼ばれていた。症状への対応に加え、社会の偏見に悩む家族を支え、当事者が自力で生活できる道筋をつけようと結成。現在は40〜80代の34人が所属する。

 福祉パスや補助金の交付を求めるなど、当初は要請活動が中心だった。2002年の病名変更を機に会員の意識も変化。自由に発言できる例会や会員が講師になる学習会など、同じ境遇の人が交流しながら支え合う機会を増やしてきた。水曜の会も、当事者が外に出る機会をつくろうと十数年前に始めた。

 「娘が次の場所に進むために大事な場所だった」。こう振り返るのは会長の尾形篤子さん(65)。次女は大学を卒業後に統合失調症で入院。退院後は自宅で動けない生活を送ったが、会に通い始めて少しずつ家事や作業所への通所ができるように。今では服薬をして病気と付き合いながら、家庭を築いた。「娘を会員さんが包み込んでくれた。どこかに居場所があれば何とかなる」と穏やかに笑う。

 会員の高齢化や、精神障害がある人の一般就労への理解不足など課題は多い。それでも、若い世代の入会が途絶えないなど希望も残る。「家族に孤立してほしくない。気持ちがほっとするような会を続けたい」と尾形さん。いつか出会う仲間のため、30年のつながりを、紡いでいく。