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【静岡県】

遠州木綿でリハビリ用具 磐田の作業療法士、手芸キット開発

静岡新聞 2019年1月7日(月)
遠州木綿を使ったリハビリ手芸キットの説明をする鈴木さん=磐田市中泉
遠州木綿を使ったリハビリ手芸キットの説明をする鈴木さん=磐田市中泉

 磐田市の作業療法士鈴木紀子さん(38)が、県西部地域の伝統織物「遠州木綿」を使ったリハビリ用具を開発した。布を切ったり編んだりしてストールなどを手作りするキットで、高齢者や障害者への普及に取り組む鈴木さんは「心身の健康を促進しながら、地場産品の普及にもつなげたい」と意気込む。
 鈴木さんによると、指先を使う作業は認知症やまひのある患者に効果がある。市販の手芸キットは説明書が見にくい、作業が細か過ぎるなど、高齢者や障害者には使いにくい物が多いという。
 趣味の手芸を生かして開発したキットは長さ2メートル、幅36センチの遠州木綿を使用する。自由にアレンジできるのが特徴で、布の端をほどき、糸を束ねることでフリンジのストールにしたり、布を好きな大きさに切ってランチョンマットにしたり、単純な作業で自分だけのオリジナル作品を作ることができる。
 木綿素材は高齢者には懐かしさもあり、昔を思い出すことで気持ちを安定させるリハビリ療法「回想法」としても役立つという。
 このほかに市販のペン立てやポーチを布で装飾したり、紙を切り貼りしてポストカードを作ったりするキットも考案。2019年からは福祉施設などでの出張講座を始める予定で、手芸を通じたリハビリの普及を目指す。
 鈴木さんは「自分好みの布を選び、完成品を仲間で見せ合うことで、体の健康だけでなく、人との交流や外出のきっかけにもなれば」と期待を込める。