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【山梨県】

高等部2年生が知的障害者の''五輪''競泳代表 世界で腕試し「楽しみ」

山梨日日新聞 2019年1月8日(火)
世界大会に向け、練習に取り組む内藤雅之さん=甲府市内
世界大会に向け、練習に取り組む内藤雅之さん=甲府市内

 3月に開かれる知的障害者の国際スポーツ大会「スペシャルオリンピックス(SO)夏季世界大会」の競泳男子100メートル個人メドレーに、かえで支援学校高等部2年の内藤雅之さん(17)=甲府市東光寺2丁目=が出場する。SO夏季大会に県内から出場するのは内藤さんが初めて。知的障害と自閉症がある内藤さんは「もっと速く泳ぎたい」と練習に打ち込み、世界の扉を開いた。「目標はメダルの獲得」。4年に1度開かれる障害者スポーツの祭典で表彰台を目指す。〈小池直輝〉

 自由形にバタフライ、平泳ぎ…。甲府市の県立青少年センターのプールで黙々と泳ぎ込む内藤さんの姿があった。スピードアップに向け、フォームの修正を図っているといい、「個人メドレーなので泳法がたくさんあって大変」と笑う。
 知的障害があると分かったのは3歳の時。違和感を覚えた両親が病院に連れて行き、医師から知的障害と自閉症があることを告げられた。それでも両親は「得意なことを伸ばし、今ある力を最大限発揮させたい」と、体を動かすことが好きだった内藤さんに水泳を勧めた。
 水泳を始めた小学5年生の時は25メートルを泳ぐことさえも難しかったが、少しずつ泳げる距離が長くなった。「練習が楽しく、もっと泳げるようになりたいと思った」(内藤さん)。ペース配分を考えることに課題があるというものの、母親の恵子さん(49)は「水泳を通し、自信がついたように感じる」と話す。
 5年前に福岡県内で開かれたSO国内大会に初めて出場し、男子25メートル自由形で5位入賞。昨年9月に愛知県内で開かれたSO国内大会には男子100メートル個人メドレーに出場。決勝では中盤、2位に後退したものの、最終の自由形で抜き返し、初優勝を果たした。内藤さんは「うれしかった。信じられなかった」と話す。リレーにも出場し、3位入賞に貢献した。
 国内大会での成績が評価され、3月にアラブ首長国連邦で開かれるSO世界大会の日本代表に選ばれた。スペシャルオリンピックス日本・山梨によると、県内からSO世界大会に出場するのは、2013年に韓国で開かれた冬季大会ショートトラックスピードスケートに、かえで支援学校高等部3年(当時)の長坂晃一さんが出場して以来で、夏季大会では初めてという。
 現在は地域の水泳サークルに所属し、週2回のペースで練習に励む内藤さん。「最初から最後まで全力で泳ぎ切る」ためのスタミナとターンのスピードアップに取り組んでいる。「どんな会場で、どんな選手が出場するのか楽しみ。自分の実力がどこまで通用するか試してみたい。優勝したい」と目を輝かせた。