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【熊本県】

高齢者、子どもが安全に夜間の避難訓練を体験 天草高科学部、仮想現実ソフト制作

熊本日日新聞 2019年1月11日(金)
和歌山市で開催された「世界津波の日 高校生サミット」に参加した天草高科学部の3人。バーチャルリアリティーを使った避難訓練の有効性を、世界に向けて発信した(天草高提供)
和歌山市で開催された「世界津波の日 高校生サミット」に参加した天草高科学部の3人。バーチャルリアリティーを使った避難訓練の有効性を、世界に向けて発信した(天草高提供)

 熊本県天草市の天草高科学部が、バーチャルリアリティー(仮想現実)を使って足の不自由なお年寄りや子どもらが安全に夜間の避難訓練を体験できる映像ソフトを制作した。いつ起こるか分からない地震などの災害に対して、社会的弱者の備えを充実する試みとして高く評価され、2018年度の県高校生徒理科研究発表会地学部門で最優秀賞(2位)に選ばれた。

 発案したのは2年生の岡部ことはさん、有田りこさん、山口輝花[てるか]さんの3人。16年の熊本地震本震時に、天草市では津波を恐れ高台に避難する住民が相次いだ。その際、暗闇で足が不自由な住民らの避難に時間がかかる現状を目の当たりにして、夜間訓練の必要性を強く感じたという。

 3人は高齢者が負担なく参加できる方法として映像による避難訓練を発案。2個の魚眼レンズで全方位を撮影できる特殊なカメラを使い、人通りが多い市中心部アーケードから海抜25メートルの天草キリシタン館に至る約1キロの道のりを昼と夜にそれぞれ動画で撮影。タブレット端末で視聴可能にした。

 動画を再生しながら端末の向きを変えると、映像が上下左右に動いて360度見渡すことができ、実際に周囲を見回しながら歩くような臨場感を味わえる。昼と夜を比較することで、側溝や障害物など夜間の避難に必要な注意点に気付き、避難路の安全確認にも役立つ。

 3人は昨秋、和歌山市で開催された「世界津波の日 高校生サミット」に参加。こうしたアイデアを世界に向けて発信した。今後、撮影する避難経路を増やす考えで、岡部さんらは「私たちの取り組みが、みんなの防災意識の向上と命を守る避難につながってほしい」と話している。(松本敦)