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【島根県】

手話奉仕員講座 町民学ぶ 共生社会、機運高まる

山陰中央新報 2019年5月8日(水)
講師の金井和義さん(右端)から手話を学ぶ受講生たち=島根県邑南町山田、出羽公民館
講師の金井和義さん(右端)から手話を学ぶ受講生たち=島根県邑南町山田、出羽公民館

 2020年東京パラリンピックで、視覚障害者向け球技「ゴールボール」のフィンランド代表の事前合宿受け入れが決まった島根県邑南町で、共生社会の実現に向けた機運が高まっている。手話を自主学習する住民団体が町に働き掛け、町民対象の手話奉仕員養成講座が4月に始まった。町内からの初の手話通訳士誕生を目指し、受講生約30人が熱心に学んでいる。

 開講を呼び掛けたのは、1982年から手話を学んでいる「ゆびの輪会」(日高美枝子代表)。聴覚障害者への理解を広げようと、40年近くにわたり、松江市や浜田市の学校へ研修に出掛けたり、地元の小学校で簡単な手話講座を開いたりして活動を続けてきた。2018年10月に事前合宿受け入れが決まり、町民の共生社会への関心が高まりつつあり、軌を一にして町への開講の要望が実った。

 創設時から所属する日高政恵さん(82)=邑南町出羽=は「町を挙げて共生社会を目指すため、後継者の育成や、もっと高度な手話を勉強したい人を後押ししたかった」と思いを語り、開講を喜ぶ。

 講座は、町が町社会福祉協議会に運営を委託して開催。益田市聴覚障がい者協会の会長を務める金井和義さん(67)を講師に招き、毎月3回の講義を2年間、町内で開く。受講者は修了後、手話奉仕員として町に登録し、活動する。厚生労働省が認定する「手話通訳技能認定試験」に合格すると、福祉関連施設や公的機関などで働く手話通訳士の資格を取得できる。

 受講生は、聴覚障害者と健常者との円滑なコミュニケーションを援助したいという志を胸に、手話の知識と技術の習得に熱を入れる。日高さんは「たどたどしい手話でも伝わるとうれしいし、自然と優しい気持ちになる。町内で耳の不自由な人のニーズに応えることができる人材が育ってほしい」と願う。