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【岡山県】

障害のある人の「きょうだいの会」 岡山、悩みや不安を語り合う

山陽新聞 2019年5月10日(金)
「岡山きょうだい会」の茶話会で悩みなどを語り合う人たち=3月末、岡山市
「岡山きょうだい会」の茶話会で悩みなどを語り合う人たち=3月末、岡山市

 岡山県内に暮らす障害や慢性の病気がある人の兄弟姉妹たちが集い、互いに悩みや不安を語り合う「岡山きょうだい会」が、活動の輪を広げている。無料通信アプリなどを通じて知り合った二十数人が1、2カ月おきに「茶話会」を開く。代表の増田美佳さん(46)=岡山市=は「親よりも長期にわたって障害・病気のある人の生活を支えねばならない立場を知ってほしい」と、同じきょうだい仲間や支援者たちの参加を呼び掛けている。

 「親が面倒をみられなくなったらあなたに…という視線を感じて育った」「空気を読み、自分の気持ちを言わない“よい子”だった」―。

 3月末、岡山市内で開かれた6回目の茶話会には、増田さんら当事者のきょうだいとその知人の女性6人が出席し、互いに日頃の思いを吐き出した。

 話題の中心は子どもの頃から自分たちに向けられる、周囲からの無言の圧力。就職や結婚の時に経験した葛藤など、きょうだいたちの「あるある」話が尽きない。

知恵出し合う

 「岡山きょうだい会」は昨年3月に発足した。当事者のほかに障害者施設の職員や関心を持つ大学生も参加している。

 増田代表にはダウン症で知的障害もある弟(43)がいる。母は亡くなり、父も要介護状態で、自分と弟が共にインフルエンザにかかった時、弟を預かってもらう施設がなく困った。「相談できる仲間がいれば」と、会の設立を思い立った。

 会を当事者以外にも開放しているのは、利用できる福祉サービスなどについて情報交換し、問題を解決する知恵を出し合うためだ。増田さんは「親のそばには私たちもいて、それぞれ悩みや思いがある。聞いてもらうだけで癒やされることもある」と話す。

多様な選択肢を 

 きょうだいへの支援は、県内では倉敷市が2010年から毎年、小学生を主な対象にキャンプやクリスマス会などを続けているが、他の市町村に動きは広がっていない。

 自閉症の兄を持ち、家族支援を研究している川崎医療福祉大の小田桐早苗講師(医療福祉学)は「きょうだいは親亡き後に訪れる自分の役割を常に意識している。きょうだいがすべて背負うのではなく、グループホームの利用など多様な選択肢を認める社会になればいい」と、理解が進むことを期待する。