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【栃木県】

学童保育で医療的ケア 宇都宮市横川東小「子どもの家」、本年度から看護師常駐

下野新聞 2019年5月24日(金)
学童保育で遊ぶ岡田君(左)と竹本君(右)
学童保育で遊ぶ岡田君(左)と竹本君(右)

指導員と保護者、対話通し理解進む
 宇都宮市は本年度から、公設民営の学童保育「子どもの家」で、たんの吸引を必要とする医療的ケア児の受け入れを始めた。市は専任の看護師を配置、学童保育側は支援体制を整え、医療的ケア児が安全・安心に放課後を過ごせる場所を提供している。県内では先駆的な事業といえ、医療的ケア児の放課後支援策として注目されそうだ。
 同市横川東小子どもの家(今井恭男(いまいやすお)会長、利用児童117人)。同校1年岡田拓海(おかだたくみ)君(6)と同竹本健真(たけもとけんしん)君(6)は放課後、この場所で過ごし利用児童と一緒におやつを食べたり、校庭で遊んだりする。2人のそばには看護師がおり、吸引器やガーゼが入ったバッグを携え見守っている。
 2人は病気のため、乳児の時に気管切開した。成長に伴いほぼ自力でたんの吐き出しができるようになったが、体調不良時には吸引が必要という。
 同校入学を控え、仕事を持つ2人の保護者は学童保育の利用を希望。昨年6月、子どもと一緒に今井会長(68)と面談した。今井会長は「インクルーシブ教育(障害の有無にかかわらず一緒に学ぶ)という時代の流れの中、看護師配置を条件に受け入れる方向で取り組んだ」と話す。
 学童保育を担当する同市生涯学習課は、医療的ケア児の学童保育受け入れを促す厚生労働省の事業を活用。看護師不足という厳しい状況だったが、今年2月、看護師確保のめどが立ったことで正式に受け入れが決定した。
 学童保育の指導員たちは医療的ケア児に接したことがないため、在籍していた保育園の見学や看護師、保護者との話し合いを通して体制を整えた。また利用児童や保護者に2人の特徴を知らせ理解を求めた。指導員の勝田節子(かつたせつこ)さんは「正直、もう少し準備期間がほしかった。愛情を注いで接しているが、『何かあったらどうしよう』という気持ちは今もある」と明かす。
 文部科学省の2017年調査によると、公立小学校に通う医療的ケアが必要な児童は全国で744人、県内は7人。今井会長は「他の学校でも希望者はいると思う。走りながら改善していく状態だが、先駆者として良い影響につなげたい」と話している。